[続] シ ェ ア ハ ウ ス ２ ≪ Nozomu.K ≫

ハウス86. ページ43

あれからしばらくして流星くんも帰っていってしまって。

約1か月にも及ぶ6人での共同生活は幕を閉じた。









静かになったリビングでぼーっとテレビを見ていると誰かが隣に座って。

慌てて顔を上げればどこか不機嫌そうな望さんがいた。









『ど、どうかしました…？』


「やっぱりむかつく」



『え？何がですか？』


「神山がお前のこと好きなのやっぱり納得いかへん」



そう言って不機嫌そうな顔をする望さんについ嬉しくなってしまって。

慌てて"それは生理現象ですから仕方ないですよ"と言えば望さんはまたさらに不機嫌になってしまった。









「お前ら大学でも顔合わせるんやろ」


『そ、そうですけど…何もしませんよ』



「てゆうかなんで俺の知らんところで仲良くなってんねん」


『そ、それは…なかなか伝えるタイミングがなくて……』



ど、どうしよう。

望さんがめちゃめちゃ嫉妬してくれてる！！！



こんな分かりやすい嫉妬見たことない！！！

幸せすぎる…！！









もしかして…神山くんが帰るまでの間、望さんはずっと我慢していたのだろうか。

てっきり望さんとは解決できていると思っていたけど望さんは納得いっていなかったのかもなぁ。









「てゆうかカツアゲされてるところ助けたとかどんな少女漫画やねん」


『あれはたまたま……』



「その後大学で再開したとか完全に少女漫画やん」


『は、はい……』



もう何も言うことができなくなってしまって。

そんな私なんてお構いなしに望さんは次から次へと話していた。









「…そんなことされたら誰でもお前のこと好きになるやろ」


「勘違いするようなことばっかりするな、あほ」



まさかの望さんの言葉に顔が赤くなっていくのが自分でもよく分かって。

相変わらず"あれも納得いかへん"とか"これも納得いかへん"と話している望さんに笑みが零れてしまった。









≪ 俺のこと呼び捨てで呼べ、あと敬語やめろ ≫



するとそんな望さんの言葉を思い出して。

私はちらっと望さんの方を向いた。









「いきなり家に連れてきたり…ちょっとはこっちの気持ちも考え……」



そう言った望さんに私は強引に唇を重ねて。

自分から望さんにキスをするのは初めてでドキドキしてしまった。









『望、大好きやで』









そう言って望さんの方を見つめれば目をぱちくりさせた望さんと目が合った。

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