ハウス76. ページ33
何だか望さんがどんどん遠くなっている気がする。
神山くんが家に来てから望さんと私の会話は格段に減ってしまった。
…ただでさえ会話が少なかったのに。
『…で、なんで大毅くんがおるん?』
「へへっ…ガードマン的な?」
なぜか神山くんと私の間に座っている大毅くん。
三人で座るソファはとても狭く感じた。
「神山くんがAに手出さへんようにガードしてるねん」
「大丈夫ですよ、そんなことしません」
望さんとの会話は減ったものの我が家は騒がしくなった気がする。
そんな神山くんの言葉に"何やねん!!"と言ってムスッと頬を膨らませる大毅くんは子供みたいだった。
「安藤さん、一緒にゲームせえへん?」
「はーい!ちょっと待った!俺も参加したいなぁ!」
神山くんがスマホのゲームに誘ってくれたと同時に後ろから流星くんが邪魔してきたり。
"流星さんってゲームできるんですか?"と言った神山くんに"できるわ!!"と言った流星くんに思わず笑ってしまった。
流星くん…めちゃめちゃゲーム下手そうやなぁ。
「安藤さん、一緒に夕飯作らへん?」
「おぉ!夕飯作りええなぁ!俺も一緒に作ろうかな〜!!」
背後霊かのように後ろから現れた照史くん。
私たちの邪魔をする気満々の照史くんは笑顔で夕飯を作り始めていた。
どうやら神山くんと私が接触しないように全力で守ってくれているみたいだ。
そんなこんなでこの騒がしい一日も終わりを迎えようとしていた。
.
その日の夜。
結局あれから望さんに会えないまま。
もやもやした気持ちのまま自分の部屋に戻ろうとしたとき、ベランダで声が聞こえてきた。
あれ…?誰か話してる…?
不思議に思い近づいてみるとそこには神山くんと望さんがいて思わず身を隠してしまった。
「俺、安藤さんのことが好きです」
そんな神山くんの言葉に思わず声が出そうになってしまって。
神山くんのまさかのカミングアウトに私はその場から逃げ出すことができなくなってしまった。
「あなたには言っておいた方がいいと思って」
「いきなりやってきて失礼やと思いますけど…俺は負けません」
そんな神山くんの言葉だけが響くベランダ。
そっとベランダを覗き込めば驚いたような顔をしている望さんが見えた。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時