ハウス66. ページ23
目の前でじーっと見つめ合う望さんと神山くん。
何だか変な空気になっているような気がして私は慌てて望さんに駆け寄った。
『望さんこそ…どこか行くんですか?』
「アイス食いたくなったから」
私の言葉に冷たくそう言った望さんは気まずそうに頭を掻いていて。
"コンビニですか?"と言えば目の前の望さんは"おう"と言っていた。
「お前も来るか?」
『行きたいです…!』
「じゃあお前の奢りな」
『な、なんでですか!!!』
相変わらずの望さんに思わず笑みが零れて。
慌てて神山くんの方を見れば、神山くんはなぜかじーっと望さんの方を見つめていた。
ど、どうしたんやろ。
「じゃあ俺はこの辺で帰るわ」
『あ、ありがとう……』
「安藤さん、また明日」
『また明日…!』
そう言った神山くんはペコッと望さんの方にお辞儀をして。
そのまま来た道を戻っていってしまった。
……気遣わせてしまったかな。
ちらっと望さんの方を見ればこちらを見下ろす望さんと目が合って思わず胸が高鳴ってしまった。
.
結局"私に奢らせる"と言っておきながらしっかり私にアイスを奢ってくれた望さん。
チョコがたっぷりかかったアイスを食べながら歩く帰り道はとても幸せに感じた。
「なぁ」
『どうかしましたか?』
「さっきのやつって……」
『ん?さっき?』
突然私の隣を歩いていた望さんに話しかけられて。
どこか真剣な顔をした望さんはそのまま"何でもない"と言っていた。
さっきって…もしかして神山くんのこと?
そういえば神山くんのこと望さんに紹介してなかった気がする。
『さっきの人は神山智祥くんっていうんですけど』
『大学で初めてできた友達なんです』
そう言って望さんの方を見れば目の前の望さんは"へぇ"と言っていて。
どこか遠くを見つめる望さんは何を考えているのかよく分からなかった。
『今日一緒に帰ることになって家まで送ってくれるって言ってくれて……』
『めっちゃいい友達持ったなぁって我ながら思ってます』
さっきの状況を詳しく話せば、なぜかちらっとこちらを見た望さん。
そんな望さんはそのまま"ちゅっ"と音を立てて唇を重ねてきた。
「今日の晩飯、お前の好きなカレーやで」
そう言った望さんは何事もなかったかのように"早く帰るぞ"と言っていた。
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ブラックな少女 - 始めまして、笑いあり、ドキドキありの、お話で面白かったです!個人的に流星くんがすきでした! (2022年8月7日 21時) (レス) @page49 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ちゃきさん» 初めまして(^^)コメント残していただき本当にありがとうございます…!そう言っていただき嬉しいです(:_;)面白かっただなんて…ありがたいお言葉ありがとうございます…!また機会があれば書こうと思っているのでそのときはぜひ見にきてくださいね(..)! (2021年10月7日 16時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃき(プロフ) - 初めまして!毎回更新されるのを楽しみにしていたので完結してしまったのが少し寂しいですが、キュンキュンできて本当に面白かったです!このシリーズはずっと読んでいられるのでまたいつか出るのを楽しみにしてます!ありがとうございました! (2021年10月4日 22時) (レス) id: 29b8e7862d (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - manaさん» わわっ!そう言っていただきとても嬉しいです!(:_;)続編希望のお言葉まで本当にありがとうございます(..)続編の件ぜひ検討させていただきますね!また書くことになったときはよろしくお願いいたします!(';')** (2021年5月3日 11時) (レス) id: ccea52b7dc (このIDを非表示/違反報告)
mana(プロフ) - とても面白かったです!もし良ければ続編希望です! (2021年5月3日 0時) (レス) id: be6f20fff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2021年2月21日 18時