レ ン タ ル 彼 氏 ≪ Daiki.S ≫

レンタル31. ページ31

あれから私と淳太くんは運ばれてきた料理を二人で食べて。

"美味しい"って微笑み合ったりもしてすごく楽しい時間を過ごしていた。









『デザートどれにしようかなぁ』


「あのさ、A」



わくわくしながらメニューを見つめていると突然淳太くんにそんなことを言われて。

慌てて淳太くんの方を見れば淳太くんはどこか真剣な顔でこちらを見つめていた。









「メールで話したいことがあるって言ったやんか」


『う、うん……』



一気に心拍数が上がっていくのが自分でもよく分かって。

目の前の淳太くんは姿勢を正していた。









こ、これって…告白されるのかな。

もし告白されたとして…私はどうすればええんや？



復縁するべき？それとも断るべき？

返事を保留にするのは感じ悪いしなぁ。









でも…もし淳太くんと復縁したらレンタル彼氏はどうなる？

もう重岡さんには会われへんってことやんな？



あああ！もう！なんで今重岡さんのこと考えてるねん！！

…てゆうかあのときの重岡さんのキスはどういう意味やねん！！！






…ってめっちゃ話逸れてもうてるし。

てゆうかまだ淳太くんが告白するとは決まったわけじゃないし！！









「Aに見てほしいものがあるねん」


『…見てほしいもの？』



一瞬嫌な予感がしたのは気のせいだろうか。

鞄の中からスマホを取り出した淳太くんは何かを検索していた。









「もし俺の勘違いやったらほんまに申し訳ないねんけど」


『う、うん…？』



淳太くんが何をしようとしているのかさっぱり読めない。

でもいつも以上に真剣な顔をしているからきっと真面目な話なんだろうと思った。









「この間同じ部署の子と話してたときにレンタル彼氏の話になってさ」


『レンタル彼氏…？』



「その子がよくレンタル彼氏利用してるって聞いて…サイトとかを見せてもらって」


『そ、そうなんや……』



その瞬間私は手の震えが止まらなくなって。

目の前の淳太くんはレンタル彼氏のサイトを私に見せてきた。









「この間Aが一緒に歩いてたのってこの人やんな？」



そう言って淳太くんが見せてきたのは重岡さんの顔写真だった。

……や、やばい。









「あのときもしかしてレンタルしてたん？」









そう言ってこちらを見つめる淳太くん。









そんな淳太くんの真っすぐな目に私は冷や汗が止まらなかった。

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