レ ン タ ル 彼 氏 ≪ Daiki.S ≫

レンタル03. ページ3

にこにこと微笑む彼に戸惑いが隠せない。

レンタル彼氏ってこんな感じなんや。



……何だか自分が悪いことをしているような気持ちになってしまった。









「デートプランはこちらで考えてほしいということだったのでレストランを予約しておきました」


『あ、ありがとうございます……』



淡々と話をする重岡さんに頭が追いつかない。

"じゃあ行きましょうか"と言って微笑んだ重岡さんはゆっくりと歩いていった。







歩いているときも優しく微笑んでいる重岡さんに少しだけ違和感。









どんな人なのか気になりながらも私は慌てて重岡さんの後を追いかけた。









.



あれから私と重岡さんは少しお洒落なレストランに入って。

案内された席に素直に腰掛けた。









『あ、あの…何か頼みますか…？』


「その前に一つお話してもいいですか？」



そう言いながらメニューを取り出せば目の前の重岡さんは何かを話したそうにしていて。

私は開いていたメニューをゆっくりと閉じた。









「レンタル彼氏のご利用は初めてでしたよね？」


『あ、はい……』



「では簡単にレンタル彼氏の説明だけさせてもらいます！」


『よろしくお願いします……』



そう言った重岡さんに私は慌てて姿勢を正して。

目の前で優しく微笑む重岡さんに少しだけ変な気持ちになってしまった。









「時間は1、2、3、4時間コースからどれでもお好きなものを選べます」


「Aさんは1時間コースを選ばれたので今日はお食事だけすることになります」



"へへ、あと40分しかないですね"と言って微笑む重岡さん。

そんな重岡さんは変な人なのかもしれない…と思ってしまった。









「レンタル彼氏は外でデートをするのが主な仕事です、デート先は基本的にそちらが決めていただくことになっていてお金は割り勘になります」


「手繋ぎとハグまではいいんですけど…キスはだめです！」



"これで説明は以上です"と言って微笑んだ重岡さん。

そんな重岡さんは"まぁ、ここに書いてあるの読んだだけなんですけどね"と言って楽しそうに笑っていた。



……やっぱり変な人だ。









「あ！ほら！頼みましょ頼みましょ！」









そう言ってメニューを手に取った重岡さん。









私は"どれにしようかな〜"と悩んでいる重岡さんをしばらく見つめていた。

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