レ ン タ ル 彼 氏 ≪ Daiki.S ≫

レンタル19. ページ19

あれから数日。



桃花と飲みに行った日から私はまたさらに仕事が忙しくなって。

あれもこれもとやることが多すぎて頭がパンクしそうだった。









『え、これもってことですか？』


「最初からそう伝えといたはずやけど」



『いや…でも…さすがにこの量は今週中に終わらないと思います……』


「あのさ終わらへんって誰がいつ決めたん？」



そんな私は今課長に呼び出されている最中。

目の前に座る課長は私の言葉に少し苛立っている様子だった。









「終わらへんじゃなくて終わらせるねん！終わらせなあかんねん！！」


『は、はい……』



「俺は最初からこの仕事もやってほしいってお願いしてたはずやで？」


『その件についてはすみません……』



課長は正しいことを言っている、何も悪くない。

私はただ目の前の課長に頭を下げることしかできなかった。









「謝るのとかもうええから、とりあえず早くこの仕事終わらせてくれ」


「終わらせるのが君の仕事、分かったか？」








そう言った課長に私は慌てて"分かりました！"と言って。









"失礼します"と言って慌てて自分のデスクへ向かった。









.



今週中までに課長から頼まれていた資料を作成しないと。

でもその前に明日までにやらないといけない仕事を終わらせないと。



二日後に提出しないといけない資料もある。

終わりが見えないこの現実に焦りと苛立ちがピークになっていた。









『どうしよう…終わらへん……』



カチカチと秒針の進む音が余計に私を焦らせる。

どれだけ頑張っても時間は止まってくれなかった。



今日も残業コースだ。

誰もいなくなったオフィスで一人仕事をしていると思うと何とも言えない気持ちになった。









「…Aまだ残ってたん？」



すると後ろから淳太くんの声が聞こえてきて。

そんな淳太くんは"俺今から帰りやねん"と言っていた。




……仕事終わらせないと。

早くしないと、課長に迷惑をかけてしまう。









「食事の件やねんけどさ…いつ空いてる？」



集中しないと。

カチカチとパソコンを打つ私に淳太くんは"A？"と言っていた。









「もしあれやったら今から行かへん？」







仕事に集中しないといけないのに何で今そんな話するねん。









気づいたときには目の前の淳太くんを思い切り睨んでいた。

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