執事04. ページ4
最悪だ、最悪すぎる。
ばたばたっと勢いよく走る私の足音だけが部屋の中に響いていた。
『うぅ!最悪!遅刻する!!』
「A様!落ち着いてください…!深呼吸してください!!」
何が深呼吸してくださいやねん!!!
目の前の重岡をぎろっと睨めば重岡はびくっと肩を震わせていた。
私が遅刻の原因になったのは全てこの男のせいなのに。
実はあの食事の最中、重岡が料理を出すのに戸惑って全然次の料理が出てこなかったり。
私が毎日食べている美味しいヨーグルトを盛大に床にこぼしたりして。
おかげで私の時間は大幅になくなってしまった。
『神山!急いで車出して!』
「かしこまりました!すぐ出します!」
「A様、制服着替えるのお手伝いしましょうか…?」
『重岡、あんたはいい加減黙っといてよ!』
ばたばたっと慌ただしい私とは反対にどこかオドオドしている重岡。
これじゃあ一人前の執事どころかただ邪魔してるだけやん。
『あぁ…もう!行ってきます!』
「A様!いってらっしゃいませ!!」
急いでいる私に対して呑気に手を振っている重岡をぎろっと睨みつけて家を出た。
.
車に乗って学校に着くや否や慌てて学校の中に入る私。
こんなにギリギリに到着したのは初めてだ。
『はぁはぁ…ごきげんよう……』
「ごきげんよう、城山さん珍しくギリギリやね」
息を切らしながら教室に入ればクラスの人たちに不思議な顔をされてしまった。
憂鬱な気持ちで私は友人の加奈子ちゃんの元へと向かった。
「Aちゃんがギリギリとか珍しいやん」
『えへへ…ちょっと色々ありまして……』
ちょっとどころかめっちゃ色々あったけどな!
そんなことを心の中で思いつつも私は苦笑いを浮かべていた。
「それに髪もボサボサやし…何かあったん?」
『あ、ほんまや……』
いつもより結構ボサボサな髪を慌てて手でとかす。
いつもは朝神山にサラサラヘアにしてもらってて…今日はばたばたしてたから。
そっとポケットの中に手を入れると何だか紙のようなものが出てきて。
慌てて紙を開けば少し雑な字で"頑張ってください!"と書かれていた。
『絶対重岡やん…』
こういうところでポイントを稼ぐのはやめてほしい。
ちらっと窓の外を見れば相変わらず日差しが照りつけていた。
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りってぃ(プロフ) - のんさん» そう言っていただき本当に嬉しい限りです(T_T)全部作品読んでくださるなんて本当に嬉しいです、のんさんも無理しない程度に作品読んでくださいね(;_;)!お気遣いありがとうございます、これからも頑張ります!(^^) (2020年10月20日 19時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです(;▽;)一気にファンになりました。今からりってぃさんの全作品読んできます!無理なさら無い程度でいいのでこれからも楽しみにしています!お身体にお気をつけてお過ごしください (2020年10月20日 13時) (レス) id: dc321bd858 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» やさきみさん!(T_T)いつもコメントいただいて本当に励みになってました、再開してからも早速コメントいただいて本当に嬉しい限りです(-.-)!また作品書いていく予定なので良かったら見てくださると嬉しいです!これからもよろしくお願いいたします!(;_;) (2020年10月19日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - サブレさん» 長い間待ってくださりありがとうございます(T_T)今まで気長に待っていただき本当に感謝してもしきれません!昔の作品にも目を通してくださるなんて本当に何と言っていいか(;_;)これからも全身全霊頑張っていきますね! (2020年10月19日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - しゅー!さん» ただいまです(;_;)本当に長い間待たせてしまって申し訳ないです(T_T)新作もすぐに更新していくつもりなので楽しみにお待ちください!1年間もの間楽しみに待っていただき本当にありがとうございました! (2020年10月19日 17時) (レス) id: 4df73778e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2019年8月14日 20時