教師36. ページ36
手を伸ばしても到底濱田さんに届くわけがなくて。
勝ち誇ったように目の前でくるくるとシャーペンを回す濱田さん。
「ふははっ…大事なものなんやろ？俺に奪われてええの？」
『どうしてこんなひどいことばかりするんですか！』
私の言葉に"しげのこと話してるお前見るとなんかむかつくねん"と言った濱田さん。
私はそんな濱田さんの言葉の意味を理解することができなかった。
濱田さんの方に手を伸ばしてもなかなか返してくれなくて。
やばい、なんかクラクラしてきた。
「返してほしい？」
『……返してください』
私の言葉ににやっと微笑んだ濱田さんは手に持っていたシャーペンを溝の上へ移動させて。
そのままぱっと溝の中にシャーペンを落とした。
「ざんねーん、落としたふりでした…シャーペンはここに……」
そんな濱田さんの声も聞こえないぐらい私はシャーペンを拾うのに夢中だった。
溝の上に被さっている金具を取り外して私は真っ黒の溝に手を入れた。
「おい！何してんねん！！！！」
『やめてください！重岡さんのシャーペンが！！』
必死な顔をして溝の中に手を突っ込む私を引きとめる濱田さん。
このときの私は正常な判断ができなくなっていたんだと思う。
≪ そのシャーペン、俺が一番最初に買ったシャーペンやで？ ≫
≪ 受験のときとかテストのときとかずっと使ってた、俺のお守り ≫
あのシャーペンは重岡さんが私にくれたとても大事なもの。
こんなところでなくすなんて嫌、絶対に嫌。
「おい！！！ええからこっち来い！！！」
強引に引きはがされてくるりと回転される。
目の前には必死な顔をしている濱田さんがいた。
『重岡さんがくれた本当に大事なものなんですっ…だから探さないと……』
そう言った私はそのまま意識を失って。
倒れ込む私をキャッチしてくれたのか濱田さんの柔軟剤の香りでいっぱいになった。
「なんで…そんなにしげのことばっかりやねんっ……」
目の前の濱田さんは今まで見たことないぐらい必死な顔をしていて。
うっすらと見える景色の中で目の前の濱田さんは誰かに電話をかけていた。
「もしもし、しげか？花沢は俺がもらったから」
「は、えっ…ちょ……」
消えていく景色の中でただそんな会話だけが聞こえていた。
とても波乱の予感がした。
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りってぃ(プロフ) - まるみざわさん» コメントありがとうございます(:_;)完結おめでとうのお言葉ありがとうございます…！濱田くん私も書いていてすっごく楽しかったキャラでした、同じ方がいて嬉しい…！これからもよろしくお願いいたします(';')*** (2019年8月14日 20時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - な！さん» コメントありがとうございます(:_;)大好きだなんて…言葉にならないぐらい嬉しいです！また続編書こうかなと思ってたりもしてるんですけど…これで終わっちゃうのやっぱり寂しいですよね(';')ありがとうございます、頑張ります…！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - マーメイドさん» コメントありがとうございます(:_;)家庭教師の重岡くん！私も書いていてすごく楽しかったのでこれがなくなると思うと寂しいです('_')ぜひ新作も見に来てあげてください…！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» コメントありがとうございます(:_;)濱田くんのこと褒めていただいて嬉しいです…！個人的にも大好きなキャラでした！ぜひ新作も見に来てください、これからもよろしくお願いいたします…！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
まるみざわ - 家庭教師完結おめでとうございます…！！濱ちゃんのキャラがすごいドストライクで毎回ドキドキしてました(^o^) (2019年8月12日 23時) (レス) id: 85ea9caf95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2019年6月10日 19時
