桐山照史 / ダイエット宣言 ページ37
とある夏の日のこと。
社会人になって何年目かした私。
そんな私は今鏡の前でぽつんっと突っ立っていた。
『どうしよう…結構太ってきたかも……』
体重を確認してみたけど去年より五キロも太っていて。
鏡の前に映る自分のお腹はぽっこりと膨らんでいた。
『さすがにダイエットしないとやばいよね…』
さすがにこのお腹は…それに体重だって社会人女性の平均より上回っちゃってるし。
昔はそんなこと全然なかったのにな。
そう、私がこの体型になってしまったのにはある理由があるのだ。
「A〜!ただいま〜!」
『あ、照史くんやっ』
家のドアが開く音がして私は慌てて服を着て。
慌ただしく洗面所から離れた。
「あれ〜?Aおらんの?」
『あ!!照史くん!!おかえり!』
それはこの男のせいである。
桐山照史くん、私と同じ会社に勤めている先輩で意気投合して最近付き合うことになった。
「駅前に新しくできたピザ!買ってきてん!!」
そんな彼は毎日のように私に幸せの料理を食べさせてくれる。
そして毎日のようにカロリーが高いものを食べさせてくれるのだ。
「お腹空いたやろ?今から用意するからリビングで待っとき?」
『あ、うんっ……』
"これ食べながら映画観たりゆっくりしよな"そう言ってキッチンへ向かう照史くん。
私は渋々リビングのソファに腰掛けた。
照史くんは付き合ってから毎日こうしてくれていて。
私が美味しそうに食べる度、照史くんは嬉しそうに笑ってくれるから。
食べることも大好きだし苦じゃないけどさすがに太ったからなぁ。
照史くんはどれだけたくさん食べてもなかなか太らないけどさぁ。
『私なんて一か月も経たへんうちに五キロやで…』
「ん?なんか言った?」
そう言った照史くんはピザを丁寧に切って私の元へ持ってきてくれて。
そんなピザはとても大きくてチーズがたっぷりと入っていた。
うっ……カロリーやばそう。
「やっぱりピザにはコーラよなぁ!しっかりコーラも買ってきたで!」
『う、うん……』
映画をつけてピザを目の前にコーラを注ぐ照史くん。
私はそんな照史くんに"あのさ"とゆっくりと口を開いた。
『今日は私食べないから照史くんいっぱい食べて!』
無理やり笑顔を作ってそう言うとリビングには少し静かな空間が流れた。
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りってぃ(プロフ) - 芽未さん» 喜んでいただけて嬉しいです(;_:)私も書いていて嫉妬深い重岡くんいいなぁ…としみじみ感じておりました!読み返してくれるなんて嬉しいです…、これからもよろしくお願いいたします! (2019年7月9日 18時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
芽未(プロフ) - りってぃさん» もう、最高すぎます!!ニヤニヤが止まらないです笑(*¨*) こんなに早く書いて下さってありがとうございます!いっぱい読み返します<3 (2019年7月8日 20時) (レス) id: fdd00ca03b (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - いとさん» わわわ…! ご希望に応えられて本当に良かったです!最後はドSな神山くんになってしまいましたが120点なんて本当に嬉しいです(;_:)また機会があれば遠慮なくじゃんじゃんリクエストしてください…! ありがとうございます…! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 芽未さん» コメントありがとうございます(;_:)にやにやしながら読んでいただいて本当に嬉しいです…!リクエストもありがとうございます!上手く書けるか分かりませんが、頑張って書いたのでぜひ読んでください…! 素敵なリクエストありがとうございました(..)* (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ふわっとしたリクエストだったのに120点のお話でとってもとっても楽しく読ませていただきました!!(点数をつけるのもおこがましいですが)本当にありがとうございます!リピ読み確定です!!またリクエストさせてください。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 90021e138b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年12月5日 18時