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七輪を眺める ページ17

「いやさ、アンチがさ、怖くないんだけどさなんか、気分的にさ?分かる?」
「分かる〜!お願いだから叩かないで欲しい。東大生全員叩くみたいな風潮あるじゃん!どうする?文句言ったやつのスマホが壊れるウイルスでも仕込む?」
「河村さん天才ですか?」
「ふっふっふ、崇めろ」
「アガペーくれい」
「なんで僕が与えるのさ…」
「分かった!ウイルス仕込めるやつ雇おうぜ。文句言ったら自動的に検知して裏垢晒すウイルス」
「社会的死〜!!イイネ!じゃあついでにクイズ出来るやつ連れてこよう、流石にクイズ経験者欲しいし」
「悪いな初心者で」
「お前らが強すぎるんだよ!」
「え!唐突に褒められた…」
「ならクイズ出来てウイルス仕込めるやつ雇おうぜ」
「サラブレッド探しましょう、クラッカーとクイザーのサラブレッド」
「そんな奴いるかあ?」
「ア待って、いる!俺いる!知り合い!」
「お前友達は居ないけど人脈はあるよな…」
「友達もいますぅ〜!!!!どこをどう見たら友達がいないのか五百文字以上で説明して貰えますかぁ〜〜〜〜!?!?」
「ウザ…で、誰?」
「東工大の先輩!クイズの仕事してるし今度会うわ!ウン!」
「東工大ならウイルスつくれるな」
「あの大学は全員ウイルスつくれるやろ。知らんけど」
「偏見凄お」



馬鹿みたいに頭が痛い。二日酔い、なんてそんな生易しいレベルじゃない。今日一日は家に居ないとな…なんて思いながら目を開けるとそこは見慣れた自宅では無く。ああそうだ、確か酒を呑んで…

揺れる視界と戦いながら体を起こす。自分の体にはブランケットがかけられていた。風邪をひかない様にだなんて気遣いを昨日の修羅場で出来るのは新堂さんだけだろう。そんな俺の予想通り、まだ伊沢さんと河村さんは床に寝っ転がっていた。俺だけソファなのは一応年下だからか。その優しさに感謝しつつ、よろめく体を無理やり動かしキッチンへ向かうと覚えのある匂いが俺を迎える。

「…あざま…す」
「けったいな格好しとるなあ。味噌汁飲むか?」
「っす…」

机に置かれた味噌汁。具材はふにゃふにゃのワカメだけで、固形物を噛む気力の無い俺にはベストなもの。一口啜るとその温かさが夜の寒さを解してくれる気がした。思わず声をあげると心底嬉しそうに笑う新堂さん。生粋の料理人なんだろう、俺達がクイズのある所に現れるようにこの人は料理を振る舞う相手を探しているのだと思う。その相手になれたのは幸運の限りだと思い。再び椀を口に運んだ。

盛り箸詰め合わせを届けて→←ボンベ開いて



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マサ(プロフ) - また、近頃あまり見なくなった、インターネットを通して読む文章だからこそのギミックも感激致しました。素敵な作品をありがとうございました。長文駄文失礼致しました。 (2021年11月14日 21時) (レス) id: 3122429ec9 (このIDを非表示/違反報告)
マサ(プロフ) - はじめまして。この作品を見つけて一気に読ませていただきました。全体的に文章自体が読みやすく、私は料理に詳しくないのですがそれでも分かりやすく書かれており、ストーリーも大変面白かったです。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page29 id: 3122429ec9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月5日 0時

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