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『…俺も、助けるから』



フイッと目をそらしながら、

山田に向かってそう言う。





ym 『え?』





『山田が俺を助けてくれたみたいに、今度は俺が山田を助ける。俺ばっかり弱いとこ見せるなんて嫌だもん!だから、困ったことがあったらいつでも連絡して』






すると山田は、隣にいる俺のスマホを

持っている手を掴んできた。




その拍子に俺は顔をあげてしまう。




お互いの目が合った。




ym 「困ってないと、ダメなの?」




山田の耳から、もうスマホは離されていて。




「…っ」





直接聞こえる山田の甘い声に、

頭が真っ白になる。




だから…そういう顔で見つめんなって

言ってんじゃん。




心臓がドキドキするんだよ。




体の奥から全身が熱くなって、

どうしていいか分からない。



…ボーッとして寒気がすごくて…って…あれ?




クラクラと目眩がして、俺はフラッとよろけた





ym 「大ちゃんっ!」



後ろに倒れそうになった俺を、

とっさに山田が支えてくれる。




「…ごめん。大丈夫」



ym 「全然大丈夫じゃないじゃん!大ちゃんの頬、すごい熱いじゃん」





頬に触れた手は、次第に俺のおでこ

やってきて、ぬるくなった冷却シートを

ゆっくりとはがしていく。




(おでこも…すごい熱い…)



おでこに触れた山田の大きな手は、

ちょっと冷たくて心地よかった。




ym 「大ちゃん、もう寝て?眠くなくても目閉じとくだけでも楽になるから」





そう言って俺のスマホを奪い取り



机の上に奥と、そっと俺をベットに寝かせる。




「…珍しい」





ym 「え?」





「山田がなんか、優しい」



俺の言葉に、山田はギョッと目を見開いた。






ym 「こ、こんなの優しくないよっ!普通だよ普通!つ、つーか、バカは風邪引かないって大ちゃんかわ言ったのに、バカな大ちゃんが引いてるじゃんっ」




どこかごまかすように、話を変えた山田。



遠回しに俺はバカって言われてたっぽいけど、

なぜか笑みがこぼれてしまった。





「…な。なんで風邪なんか引いてんだろう、俺。バカなのにな…」



ホント。


なんで、あんな、バカなことしたんだろう。



なんで、弱音なんて吐いちゃったんだろう。


未だに思ってしまう。

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設定タグ:ありやま , Hey!Say!JUMP , BL   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ありちゃん | 作成日時:2020年2月11日 13時

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