QK看病日記

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山本side
「山本」

「はい？」

気づくと、離れたところで仕事をしていたはずの河村さんが背後にいた。仕事の相談かな、なんて思いながら振り返る。

「右足」

河村さんの口から出たワードに、ぎくりとした。ここで白状してしまえば楽なんだろうけど、変なプライドが邪魔して、つい誤魔化そうとしてしまう。

「……右足がどうかしたんですか？」

そう返すと、それまで真顔だった河村さんに苦笑いされた。

「あー、山本もそういうタイプだったかぁ」

そういうとこまで伊沢リスペクトしなくていいよ、と肩をトントンと叩かれる。

「僕は君が右足を怪我してることはもうわかっているから、ちょっと見せてみなさいってこと」

「……はぁい」

撮影部屋を出たときから、河村さんにはすべてお見通しだったらしい。靴下をめくると、自分でもびっくりするくらい腫れていた。河村さんも呆れ顔だ。

「とりあえず冷やした方がいいね。冷やすもの持ってくるから動かないで待ってて」

そう言ってキッチンの方に行って戻ってきた河村さんの手には、タオルに包まれた保冷剤。ありがたく受け取って右足首にあてる。

「一応歩けてるから重症ではないと思うけど、長引くようなら病院行きなよ」

「はぃ」

「まぁこういうのは山本のほうが詳しいだろうけどね」

元陸上部でしょ、と付け加えられる。僕だって経験から早く冷やしたほうがいいっていうのは知ってたけどさ、みんなに余計な心配かけたくなかったし。

「伊沢にはなんて報告しようかなぁ」

「ぇ、伊沢さんに言うんですか」

「言われたくないの？」

だって、怪我してたの隠して収録参加してましたなんて言ったら、「どうして早く言わないんだ」って怒られるの余裕で想像できるもん。

「隠した山本が悪いから仕方ない」

「えぇ……」

次の日、河村さんからの報告を聞いた伊沢さんから、予想通りのお説教をされた。でも、僕が必要以上に動かなくていいように、いろいろ配慮してくれて、本当にあったかいメンバーだなぁと改めて実感した日になった。end



ーーー
なんこんさん、リクエストありがとうございました！
看病側のご希望がなかったので、河村さんにさせていただきました。
山本さんは河村さんのこと結構慕ってるイメージがあります！
お二人の雰囲気が伝わってたら嬉しいです(*´꒳`*)

人生二年も先輩だから-fkr-＊→←隠しごとはいけません-ymmt-＊

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