36 たまごスープ ページ36
「なにかっつーほど聞いてないけど、好きだよね絶対」
「え」
「見たらわかるじゃん。昔からAちゃんの事ばっか見てたし」
「え……」
昔から……。
翔の言っていたことは本当なんだろうか。
「……昔って？」
「それこそ小学生んときも一緒に帰ってたでしょ？一緒に帰らなくなってからも、帰り見かけるとよく目で追ってたよ」
「、」
そんな昔から監視されてたって事？
それはそれでちょっと怖いじゃない。
「翔ちゃん、相当落ち込んでたよ」
「え？」
「Aちゃんから避けられるようになって、最初はAちゃんの視界の中でバカ騒ぎして気づいてくれるの待ってたけど、そのうちなにしても無理だって気づいてさ。それに気づいたときにはすんげーモテるようになってて、Aちゃんのこと気にしててもいつの間にか他の女子に取り囲まれたりしてた」
「……」
……そうだったんだ。
ちょっと……いや、、かなり申し訳ない事をした気がしてきた。
「翔ちゃん口には出さなかったけど、熱狂的な翔ちゃんファンがAちゃんになんかすんじゃないかって、わざと距離取ってた時もあったし」
「わざと……？」
「ん。翔ちゃんとAちゃんが家近いってだけで関係を勘ぐるやつも居たからさ。Aちゃんは関係ないって言ってんの見たことある」
「……そうなの……？」
「そうだよー。翔ちゃん、Aちゃんのこと守るために必死だったんだよ。」
目の前の智君の笑顔とは裏腹に、私の胸はズキズキ痛む。
小学生、中学生の彼に、そんな想いをさせていたなんて。
なにも言えずに俯いてると、店員さんが失礼しますと個室のカーテンを開けた。
ビールが運ばれてきて、適当に料理を頼んで。
智君の食べたい物は？と聞くと、うーんとメニューとにらめっこして。
「あ。たまごスープ」
なぜ？が頭に何個も浮かんだけど、それはぐっと飲み込んで座り直した。
「Aちゃんが決めてくれてよかった」
「、ごめん、勝手に決めちゃった」
「いんや、俺何でもいいから、Aちゃんの好きなもん頼めてよかった」
「そう？ならいいんだけど」
じゃあかんぱーい、ってグラスを掲げて、喉を鳴らす。
智君はとてもビールが好きなようだ。
もう一杯飲み終わってしまった。
「……2杯くらい頼む？」
「ん。ビールと焼酎にしよっかなー」
……かなり強いようだ。
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うさこ(プロフ) - ちささん» ちささん、はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます！そんなに読んでいただいてるとは…嬉しいです♪私もあまり曲が聴けず、別の方の歌ばかり聴いてます(^^;)こんなことしてるうちに時間は過ぎてしまう……早く抜け出したいものです(T_T) (2020年1月26日 21時) (
レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - ebi信号さん» ebi信号さん、こんにちは！コメントありがとうございます！私もこの世界のかれらはとっても好き！書きたい！書きたいのに……！うまく行かない事って有りますね(T_T)少しずつ回復してるはずなので、続きもちょこちょこ書いていきます！ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 2a9d2935f4 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - のんびり更新楽しみにしてます！うさこさんの中で整理がつくことは難しいかもしれないですけど、何の暗い気持ちも持たないで書けるようになれるのを願ってます。 (2020年1月20日 17時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - はもっと大変だろうなと思います。私はお名前を拝借して自分の中で現実と似た別の人物を作り上げているから読めるものの一から作るとなると現実の方が頭に浮かびますよね…。私はしばらく歌すら聞けてません苦笑 うさこさんの話、どの作品もとても大好きなので (2020年1月20日 17時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - はじめまして、うさこさん。S上司や産婦人科医、私に構わないで、女友達やCHANGEなどたくさんうさこさんの作品は読んでいます。にのちゃんの件もしょーくんの件もよくわかります。私自身色々な作者さんの作品に逃避してるところがあるので、作り上げる作者のうさこさん (2020年1月20日 17時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うさこ
| 作成日時：2020年1月6日 0時
