32.愛され笑顔 ページ32
「いやいや、待って?銀さん話に追いつけないんだけど」
「……銀さんにしか言えないんですよ」
────Aにとっては翌日、銀時にとっては突然、Aは銀時に"話を聞いてください"と連絡し、銀時はそれに応えた。
いつものような、誰かさんのための頼まれ事だと思ったのだ。
……ところがどっこい、である。
「もう1回話を整理してもいい?何があったって?」
「熱烈な告白をされました」
「いつ?」
「昨日です」
「誰に?」
「…草間財閥の、御曹司に」
「………………何回も言ってることを承知でもう1回だけ言うけど、何言ってんのAちゃん」
「だぁぁから本当なんです!信じてもらえないことは100も承知なんです!私だけじゃどうしようもないから、銀さんに相談してるんですよ……」
うう、と頭を抱えて項垂れるAを横目で見つつ、銀時は団子をひとつ口に入れる。
Aの態度とは正反対に、よく晴れた日だと思った。
「……Aちゃんはどーなの?」
「何がですか?」
「草間サンのこと、どー思ってんの」
「……どう、っていうか、今まで私、男の人と付き合ったことがなくて、それどころかこうして告白されたことすらなくて。
だから、自分が草間さんのことをどう思ってるのか、わかんないんですよね。
でも草間さんのことを、誰かに話したいって思ったんです。……真選組の誰かには、さすがに駄目だなって思ったんですけど」
はあ、と小さくため息をついてAは湯呑みを口に運ぶ。ずず、と啜る音。
「銀さんに相談されたって、何もアドバイス出来ねェんだけど」
「アドバイスを求めてるんじゃなくて……いや求めてもいるんですけど、とにかく話を聞いて欲しいんですよ」
女ってそういう生き物なんです、と言うAの横顔は憂いげで。
沖田も大変だな、と胸中で思う。
「何の頼りにもならねェ俺を頼ってくれんのは嬉しいけどな、あんま彼奴に心配かけんなよ」
「彼奴?」
だから少しだけ、手を貸してやるっつーか。
彼奴のことを応援してェとは微塵も思わねェが、大事な依頼人様の笑顔が、俺も好きだから。
「沖田くん。誰よりもお前のこと心配してるから」
「ああ。……ふふ、知ってますよ。」
そうそう、その笑顔が、俺は1番好きだからな。
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乙愛 - 草間さんのセリフにグッときたがワイは負けん…はっ!総悟!違う私は一筋じゃぁ (2018年12月19日 18時) (レス) id: 89a184ea87 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ嶋(プロフ) - 乙愛さん» コメントありがとうございます。良い意味でキュッとして頂けたら幸いです。物語が徐々に動き始めてきましたので、どうか今後も見守ってくれたら嬉しいです。 (2018年12月10日 22時) (レス) id: 24579aa2d7 (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - なんか、心臓キュッってなりました。( ・∇・)きゅーん (2018年12月7日 22時) (レス) id: 89a184ea87 (このIDを非表示/違反報告)
木ノ嶋(プロフ) - アルハさん» 本当に嬉しいお言葉、ありがとうございます。受験生なんですね…この作品で、少しでもアルハ様の応援が出来たらいいなと思っております。ありがとうございました。 (2018年11月28日 7時) (レス) id: 24579aa2d7 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 受験生の身でありながらついぶっ通しで読んでしまいました・・・笑上から下までタイプですありがとうございます。これからも応援してます! (2018年11月27日 16時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2018年8月17日 23時