91.何でも笑って話そう ページ41
「……おかげさまで、退院しまして」
「とか言われても、銀さんなんっにも聞かされてないんだけど?」
不満げにぶすっとした顔をする銀さんに笑って、チョコパフェとチーズケーキを注文する。
いつも銀さんと会う、いつもの店。
「全ての事が片付いた後に、こうこうこういうことがあったんですよォ〜なんて言われても、俺ァ蚊帳の外過ぎてポカーンな訳よ、なァ、Aちゃん」
「すみませんって」
ジト目でグチグチと文句を言われるものだから、苦笑を浮かべざるを得ない。
「全部終わって、消化してる最中なので、気が早いですが銀さんに全て、お話しようと思って」
「そらァ嬉しいことこの上ねェが、何、わざわざ"すぐ"連絡くれたっつーことは、無事あのドS野郎と引っ付いたのか」
すぐ、の部分を強調される。
肘をついてじっとこちらを見る銀さんの目は真っ直ぐだ。
「………おかげさまで。」
「はァ〜、焦れってェんだよなァお前らは。ようやくかっつー話だよ」
銀さんが大袈裟に背もたれに背を預けていると、「お待たせしましたー」という店員さんの高い声がチョコパフェとチーズケーキを運んできた。
どちらからともなく食べ始める。もちろんこれは私の奢りだ。
「間違ってたら、否定してくれたらいいんですけど」
「あァん?」
「沖田さんにお節介したのって、銀さんですか?」
────あの時、パトカーの中。
『やっぱり欲しいもんは、力づくでも取りに行くのが俺らしいって、どっかのお節介が言ってきやがって。』
そんなことを言いそうなのは、ふたりくらいしか知らない。
「……なーにそれ。お節介?俺がァ?沖田にィ?」
「はい」
「なんでAちゃんは俺がしたって思ってんの?」
「銀さんは、私の親なんでしょ」
過保護な、と付け加えると、銀さんはイタズラがバレた子供のように笑った。
「あいつらと一緒にすんじゃねェよ、俺は過保護じゃねェ」
「ふふ」
周りは温かい人ばかりで、私は幸せ者だ。
「実は、ずっと銀さんに依頼してた物たち、未だに全部渡せてないんですよ」
「はァ?……あ、わかった、タイミングが良いからそろそろ渡そうと思うんです、っつー報告だろ、それ」
「当たりです」
万事屋さんに────銀さんに依頼してたもの。
いつも中身が見えないように、大きめの封筒に包んで渡して貰っていたもの。
「…贈り物って、どうしても苦手ですから」
喜んでくれるかわからなくて。
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乙愛 - 吉沢亮さん、良すぎですよね……。ほんと、沖田さん…。現在1番好きな役者さんです。 (2019年2月11日 10時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
乙愛 - お疲れ様でした!最後の写真みてみたいです…/// (2019年2月11日 10時) (レス) id: 6dafc5383a (このIDを非表示/違反報告)
ののこ(プロフ) - 毎回更新を楽しみにしていました。終わってしまって寂しさもありますが、素敵な小説に出会えて良かったです。ありがとうございました! (2019年2月10日 1時) (レス) id: c2027c837f (このIDを非表示/違反報告)
sachoco(プロフ) - とても素敵な作品に出会えて幸せでした。ハッピーエンドでとても嬉しかったですし、完結した寂しさの反動も大きく、それ程この小説にハマっていたのだと思います。本当にお疲れ様でした!(実写版沖田さん…本当に完璧と言わざるを得ない程素敵だと私も思いました!) (2019年2月8日 19時) (レス) id: 6ffe0b9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
春先未(プロフ) - お疲れ様でした…本当に面白く更新を楽しみにしていた作品だったので終わってしまい寂しさ半分、素敵な作品と出会えたという幸せな気持ち半分です。とても素敵な作品をありがとうございましたm(_ _)m (2019年2月8日 18時) (レス) id: 948ea5509c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木ノ嶋 | 作成日時:2018年12月14日 8時