風柱の姉は花魁です

二十三　〜まきをちゃん〜 ページ24

　 今日は新しい子が入ってきた。












　 ”まきを“っていうらしい。













　 二十歳にいかないかなくらいの年齢で、この年齢で売り飛ばされるのは珍しいな、と思った。
















　 私はまきをちゃんの指導係を任された。













　 うん、可愛い。否、綺麗？







　 しかも凄いﾎﾞﾝｷｭｯﾎﾞﾝだし！！








　 羨ましい。(←貴方が言えないです)











　








　 それで、まきをちゃんね！凄いの！





　 教養もしっかりあるし、顔も良いし。










　 箏とか舞の腕はもうちょっと伸びそうかな。



















　 でも、私の勘が言っている。






　

　




　

　 この子は絶対成り上がるって。













　



















　まきをちゃんが来て数週間。







　








　 その勘はしっかり当たり、まきをちゃんはどんどん出世していった。














　


　








　 その内花魁の座も奪われそう。(危機感)



















　 いつもの様に、定位置となりつつある欄干に行くと、先客がいた。













　











　 まきをちゃんだ。
　













　『あれ、まきをちゃん！』










　 その声が聞こえたらしく、まきをちゃんが振り返る。













ま「あら、涼風ちゃん！」






　 ﾝ”ﾝ”ﾝ”ｯ



　 まってそのちょっと、


　

　 振り返って首コテッってやって笑顔になるのが可愛すぎて辛い。←



















　 まきをちゃんの隣に並ぶ。









　 今は五月。







　









　 暖かな初夏の風が躍っていた。



















　 まきをちゃんも私も何も発さない。











　













　

　 ただ静かで心地良い時間が過ぎていった。

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