風柱の姉は花魁です

十三　〜心中事件〜 ページ14

いつものように朝起きて、薬を作っていた時のことだった。











禿『涼風花魁！心中だ。薬を！！』









　 と、禿が飛び込んできた。




　 えーっと、この子は梅花ｳﾒｶだったかな。











　 それにしても、心中か。















　 廊下を駈けながら何で死んだのか興味を持ってしまう。




　 毒か？












　 すぐにその遊女の部屋について、様子を見る。








　

　 男と……この遊女は清花ｷﾖﾊﾅか。









　 周りに吐瀉物が撒き散らされていた。









　 側には噛み煙草と、酒の器、中が空洞になった植物の茎が落ちている。












　 男の方は、生きているが息をしていない。



　 急いで人工呼吸を行う。



　 男が息を吹き返したのを見届けると、今度は遊女━━清花をみる。








　 こっちは大丈夫だ。意識もある。












　 毒は━━━━━━━━━━━━










　 噛み煙草か。




　






　 噛み煙草は、最古の煙草と言われ、中毒症状が出やすい。







　

　 中毒症状が出た時は炭を摂取させて、炭に毒を付着させる。














　『炭を━━━━━』















　 と言いかけて、ん？となる。











　 もう一度よく観察をする。








　 否、噛み煙草の中毒症状じゃない。吐瀉物に薬が混じっていない。
















　 つまり、毒は



















　


　 ━━━━━━━━━━━━━━酒か。









　ならば、




『炭じゃない！水だ。水を大量に持ってきて！』






　 液体に毒が混ざっていた場合は、水を大量に摂取させて毒を薄める。
















禿「水を持ってきました！」












　 清花達に水を飲ませていると、声が聞こえてきた。


















　 ━━━━━━━━━━━死ねば良かったのに。

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