風柱の姉は花魁です

十二 ページ13

　 Aの鍛練が終わる頃、遊女達は短い睡眠をとる。

















　 そんな皆が寝静まる時間は、Aにとって最高の時間だ。


















　 ごりごりとすり鉢で薬草を潰したり、丸薬を作ったりと薬を作る。











　薬を作るのは、Aにとっては数少ない楽しみの時間だ。












　 一刻(2時間)程薬作りをすると、朝風呂の時間になる。







　 朝風呂は位の高い遊女から入る為、花魁であるAは一番風呂に入れるのだ。










　そして、可愛い可愛い禿達(本当に天使！byA)が髪を拭いてくれる。





　











　 まさに天国。←













　




　 その後朝食を食べ、舞などの練習が始まる。








花「涼風花魁。ここはどうするの？」




　『嗚呼、ここはね……』







　 と、禿達に教えたりなどをして、昼は過ごす。







　 また、涼風花魁の最大の楽しみは━━━━━━━━━











　『わぁ！熊胆だ！


　 こっちは……………キャー！！！！ご、牛黄よーーー！！！！』














　 熊胆は、その名の通り熊の胆を干したものだ。
　
　 又、牛黄は、牛の胆石で、千頭に一頭いるかいないかという程の超超高級品である。









　



　 実はこの涼風花魁、大の生薬好きである。





　 なので、客からの貢ぎ物では、帯や着物には見向きもせず、

　



　 生薬を貢ぐと大層喜ばれるというのは周知の事実だ。












　 その為涼風花魁のもとには、毎日大量の生薬が届くので、涼風花魁は大喜びだ。



　





　
　



　 さらに、



　『ねぇねぇ、何か面白い噂はない？』




遊女「嗚呼、そういえば京極屋でまた足抜けがあったらしいよ。」
　





　と、情報収集も欠かさない。




　何故なら

『(やっぱり蕨姫花魁が来たから京極屋で足抜けが増えたな。)』

　 と、鬼の情報を探る為である。

夜は…………









　 客の相手をしたり、宴に出たりするが、








客がいない日は、

　 「あるもの」を作り、すぐに寝る。

　
















　
　 ━━━━━━━━━━━━━━━━ これが涼風花魁ことAの一日である。

十三　〜心中事件〜→←十一　〜涼風の毎日〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す