四神物語＊ars (ページ28)

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「……なんですか？」

「俺たちのことだよ。一緒に暮らすんだから
潤くんにはちゃんと話しておかないとね」

うんうんと相葉さんが頷く。

「まだ全然話せてないもんね！」

確かにまだこの前はかいつまんだ話しか聞いていない。

「……俺も知りたいです。四神のこと、みんなのこと」

少し長くなるかもしれないけど…
と櫻井さんが言ってゆっくりと語り始めた。

「この前四神のことは少し話したよね？」

「はい。和が白虎ってことは聞きました」

「そう、ニノは白虎。そして相葉ちゃんは玄武、俺は朱雀なんだ」

やっぱりこの二人も四神だったのか。
なんとなく予想はしていたけど
驚くことに変わりはない。

「四神はね、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武と言われるように昔はそれぞれ区分された土地を守っていたんだ」

でもね、と櫻井さんが目を伏せる。

「そんな四神に対抗する者たちが現れた。
四神に代わってこの日本を制圧しようとした奴らが」

「そいつらは支配することだけを考えていた。
護るとかそういうことじゃなくてね」

「当然、戦いが起こったよ。
敵も強くて結果は相打ちってとこかな。
だから両者とも来世で決着をつけることを決めたんだ」

「それじゃあ……！」

「俺らの前にも四神の宿主になってきた人は過去何人もいるよ。
決着が着くまでずっとこの転生は続くんだ」

そして同じように敵の方もまだ現代に住み着いているのだと教えてくれた。

「だからたまにそいつらが悪さしたときに
俺たちはそいつらからこの土地を護るために戦ってるんだ」

この国を東西南北で分けて
例えば南だったら朱雀である櫻井さん
と言うように敵が現れた土地によって
戦いへ向かう四神も違うらしい。

たまに自分の区域でないところの応戦もするのだとか。

「…………すごいですね。過去の、それも大昔の念が今も生きてるって」

「そうだね。この戦いが早く終わらないと
俺たちは四神から逃れられないんだよ」

どんな気持ちなんだろう。
自分の身体に四神が宿っているという感じは。

気になったけどそこは俺が気軽にのこのこ
入っていい場所ではない気がして
聞けなかった。