34 sideN ページ35
相葉さんのおかげで
なんとか白虎を抑えられたけど、
あの場にいたら今度はもう
我慢できない気がして
足早に部屋を出てきてしまった。
翔さんと相葉さんに
大野さんを任せてきてしまったのは
本当に申し訳ないけど……
あとでちゃんと謝ろう。
潤くんに会いたくて、会いたくて。
ほんの少し前まで一緒にいたのに
もう会いたいなんて本格的にやばいかもとか
思いつつもリビングに向かう足は
いつもより断然速い。
今ほどこの家の広さを恨んだことはないってくらい。
「潤くん……っ！」
襖を開けて入ると返事は返ってこなかった。
そこにはすうすうと可愛らしい寝息を
たてながら寝てしまっている潤くんがいて。
さっきまでのもやもやとした気持ちが
嘘みたいになくなって自然と笑みがこぼれた。
潤くんの隣に座ってそのあどけない寝顔を眺める。
かっこよくて、かわいくて、愛おしくて。
俺の守りたい時間の全てがそこにあった。
そうしているうちに相葉さんが焦った様子で
ドタバタと走ってきて。
そのしばらく後に翔さんもきて。
三人で潤くんの幸せそうな寝顔を見つめていた。
「驚いたね。…潤くんが青龍だなんて」
相葉さんがポツリと呟く。
「……そうですね。でも俺は絶対潤くんに辛い思いはさせません」
「うん。青龍は智くんのお気に入りだから。
だから俺たちが潤くんを守らないとね」
翔さんが潤くんの頭を優しく撫でた。
そう、いつだって大野さんは”青龍“を求めてた。
自分と波長が一番合う、青龍を。
潤くんのこの笑顔がいつまでも見れるなら
俺は何だってするよー…
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作者名：智帆
| 作成日時：2013年6月22日 9時
