ご主人様の言う通り (ページ8)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:49,067 hit

8 ページ8

なんだか楽しみで寝れなくて、約束の日の朝私は結局5時起き…(笑)

約束は1:00なんだけど、丁度買いたいものあったし約束の３時間前に駅に着いた。

「何がいいんだろ…」

私の買いたいものとは、和さんへのお礼。
私があの最悪な日に和さんに出会ってなかったら、またぜんぜん違う道を歩いてたんだろうな。

「…何がいいの？」

ここは普通にお菓子とかかな？
でも和さんの好きなお菓子とか分かんないし…。

「あっ」

ふらっと立ち寄ったお店で、和さんそっくりのわんちゃんのストラップを見つけて、「これでいっか」と店を出る。(勿論、買いましたよ？)

約束の場所に戻ったのは12:50のことだった。
迷ってたら、もうこんな時間。
ちょっとして、涼也がこっちに走ってきた。

涼也「遅かった？ごめん」

「ううん。どこ行く？」

涼也「とりあえず、カフェにでも行く…？話あるし」

「…うん」

駅の中にある、私がよく行くカフェに2人で入った。

店員「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」

「私、ブラックコーヒーで。涼也は？」

涼也「俺は…リンゴジュースでいいや」

店員「かしこまりました。」

「涼也のそういうとこ変わんないね(笑)」

涼也「そういうとこって？」

「カフェ来てリンゴジュースしか飲まないとこ(笑)それで、話って？」

涼也「…あのさ。」

「うん」

涼也「金…貸してくんない？」

「…どーしたの」

涼也「ちょっと、詐欺にあって、お金無くなっちゃってさ」

「警察に言ったの？」

涼也「い、いや。そんな大金じゃなかったし、大事にしちゃお母さんが心配するでしょ」

「…いくら？」

涼也「とりあえず100万…」

「ひ、100万？」

涼也「親父が入院しててよ、その入院費払えんの俺しかいないのに、詐欺で…」

「…分かった。」

涼也「ありがと…あっ俺明日までここいるから、明日までに用意できる？」

「うん」

涼也「あっ。俺行きゃなきゃ…」

「えっ、もう行くの？リンゴジュースだって飲んでないし」

涼也「あー。Aにあげるよ」

「ちょっと待ってよ」

私の言葉は聞かずに、涼也は走って出ていった。

店員「お待たせしました。ブラックコーヒーと、リンゴジュースでございます。」

「あっ、ありがとうございます」

リンゴジュースが悲しそうに見えて、コーヒーを飲んだあと、リンゴジュースも飲み干した。

「ここのリンゴジュース味変えたのかな…」

リンゴジュースなぜか、いつもより甘酸っぱさが増してた気がした。