検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:101,341 hit

ページ6

.









サッカー部の試合はついに準決勝まで進出した



試合は1-1の同点でPK戦に突入した






手を合わせ必死に祈る



第1キッカーは流星くんで至って冷静に



真ん中にドンッと素早い球を蹴りゴールを揺らす






会場が歓声とため息で溢れる



その後望先輩も華麗に決めた



PK戦は3-4で私たちの高校の最後のキッカーの番



決めれば同点で延長、外せば負けの土壇場でキッカーはルーキーの1年生選手






息の詰まりそうな緊迫した空気の中


1年生選手が思いっきりボールを蹴った




耳が痛くなるほどの大きな歓声とコートで崩れ落ちる選手達




相手のキーパーがスーパーセーブを見せ敗退が決定した







次第に視界が涙で霞む



泣き崩れる1年生選手を立たせて力強く頭を撫でたのは流星くんで


ほとんどの選手が泣いている中


流星くんは泣くことなく仲間を慰めていた


泣いている望先輩と強くハグする




そして、選手たちは私たちがいる観客席へ走ってきた


大きな拍手と「よく頑張った」という歓声が彼らを包む


私も涙を堪え拍手を送る




流星くんが引退してしまった…






選手達が出でくるのを会場の外で待っていると


出てきて外で写真を取り出す




暫く待っていると流星くんが私に気づいて来てくれた






「来てくれてありがとうな」


「いや……ホンマに…カッコよかったです」


「ありがとう。ふふ、なんで泣いてんねん(笑)」



流星くんの顔をみたら何故か涙が出てきてしまって


私の涙を手で拭ってくれる流星くん




「これ、ずっとポッケに入れとったんやで。Aちゃんのおかげでここまで来れた」


「…名前…知ってたんですか?」


「当たり前やろ」



そう、少し照れたようにふって笑う







「…写真撮ろや」




少しの沈黙が続いたあと


私が言いたくてもなかなか言えなかった言葉を先輩が言ってくれる





「携帯貸して」


そう言われるがまま携帯を渡すと自然に私の肩を抱いてくれて自撮りをする流星くん





私は精一杯の笑顔を作ってそのシャッターを切るまでのほんの数秒が私の宝物になった






「うん。可愛い。」


流星くんはナチュラルにそんな言葉を発してポケットから出した自分の携帯をなにやらいじって


私に携帯を返す





「LINE追加しといたから、後で送ってな」



そう言って私の頭を撫でて彼は去っていった









.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (366 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
380人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

raf.(プロフ) - あいのすけさん» コメントありがとうございます。最新話更新致しました。これからもよろしくお願いします。 (2020年1月20日 22時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - すごくほっこりしました、素敵な作品ですね!応援してます、更新頑張ってください! (2019年12月5日 1時) (レス) id: f10e75a825 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - 涼子さん» コメントありがとうございます!現在絶賛執筆中ですので少々お待ちください!これからもよろしくお願いします。 (2019年10月16日 8時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼子 - 流星君、すっごく良かったです!照史君の作品も楽しみにしています!頑張って下さい。応援しています! (2019年10月15日 10時) (レス) id: 1a62da02fe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:raf. | 作成日時:2019年10月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。