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部活の帰り道

部活内での話し合いとか片付けとかが長引いて

いつもより少し帰りが遅くなった



私と同じ方向の部員は居らんから1人で駅のホームで待ってると「おつかれ」聞きなれた声で話しかけられた


「大毅、おつかれ」

帰り道初めて会った

野球部っていつもこんな遅くまで練習しとるんや



「いつもより遅いやん。どしたん?」

普段学校で話すよりも落ち着いた雰囲気で聞いてくる


「話し合いとかしとったら遅くなっただけ」

「そっか」

いつもめっちゃ喋って私を弄ってくる大毅と

無言で二人並んでただ電車を待っている


こんなシチュエーション

体験したことも想像したことも無くて二人の間を変な空気が流れていた



「…なぁ、ずっと気になってたこと聞いていい?」

「…うん。」

「なんで、俺の事大毅って呼ぶん?なんか恥ずいんやけど…(笑)」


深刻な話かと思ったらそんなことかよ…!


「いや…私のオトンなシゲオって言うねんそんで皆にシゲちゃんとかシゲって呼ばれてて
シゲって大毅のこと呼ぶとオトンの顔しか浮かばへんくなるから」

「…(笑) なにそれ!めっちゃおもろいやん!Aやっぱおもろいなぁ」


私は普通に質問に答えただけやのに何故か爆笑して

何故かテンション上がりまっくてる大毅がおかしく見えた


「じゃあもうひとつ質問してい?」


電車が来て2人で乗り込む

吊革に捕まりながら揺れる電車の中で

私は大毅の質問攻めにただ答えていた



「なんで吹部に入ったん?自己紹介でさ中学の頃野球部って言ってへんかった?」

「あぁ、野球やってたよ。女子野球ね。やけど、この学校男子やん。しかも甲子園は男子しか出れへん。やから、甲子園に行くために吹部えらんだ」

「へぇ〜。じゃあ俺、Aのこと甲子園連れてってやるよ!」

「…嘘でしょ?」

「いや。ホンマ、ホンマに。もう決めたから」


大毅は私が見た事もないくらい真面目な顔をしてた

なんか大毅はホンマに有言実行しそうな気がして

甲子園連れて行ってくれそうな気がして

胸が高鳴った



「じゃあ、また明日」

「うん。明日」


みんなが大毅のことを爽やかって表現する理由がわかった気がする

「バイバイ」って笑顔で手を振る大毅を見るだけで疲れが少し消えた






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raf.(プロフ) - あいのすけさん» コメントありがとうございます。最新話更新致しました。これからもよろしくお願いします。 (2020年1月20日 22時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - すごくほっこりしました、素敵な作品ですね!応援してます、更新頑張ってください! (2019年12月5日 1時) (レス) id: f10e75a825 (このIDを非表示/違反報告)
raf.(プロフ) - 涼子さん» コメントありがとうございます!現在絶賛執筆中ですので少々お待ちください!これからもよろしくお願いします。 (2019年10月16日 8時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
涼子 - 流星君、すっごく良かったです!照史君の作品も楽しみにしています!頑張って下さい。応援しています! (2019年10月15日 10時) (レス) id: 1a62da02fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raf. | 作成日時:2019年10月14日 22時

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