心配事2ーあなた×和也 ページ42
俺は看護師に呼ばれて談話室のソファーに腰かけた
和也『なんですか?』
看護師『実はAちゃん...もう二日もご飯食べてないんです』
和也『えっ...?』
看護師『食べないと元気にならないよって言ってるんですが食べたくないって拒否してて...カウンセリングも拒んでて、体力もなくなってきてるんです。いまは栄養剤入れてるんですが栄養剤も拒む時があって...』
和也『栄養剤でも拒むんですか...?』
看護師『もし二宮さんが大丈夫なようでしたらAちゃんの好きなものとか教えていただけませんか?少しでも食べれればいいんですが...』
和也『少し待っててもらえますか?書き留めます』
看護師『ありがとうございます』
それから俺は簡単にAの好きなものをピックアップしてまとめる
ハンバーグ、カレー、メロンパン、チーズ、ビビンバ、うどん、そば
和也『こんな感じで大丈夫ですか?』
看護師『はい、ありがとうございます!』
和也『Aのことお願いします』
看護師『分かりました。あ、Aちゃんに会って行きますか?いまさっき眠ったばかりなので』
和也『あ、じゃあ』
寝てるなら少し顔を見てから帰ろう
食べてないなんてなんで
ストレスかな
病室に行くと確かに静かに眠ってるA
まみちゃんがバッグに入れてたぬいぐるみを大事そうに抱えて眠ってるAは
確かに少し痩せてる
ただでさえやせ型のAだから見てるのが辛い
腕には点滴の跡がたくさんで痣になってるところばかり
ちらっと見えてる背中にも同じようにあざがちらほらあって...
俺はなにをしていたんだろうか妹が苦しんでる時に
手を差し伸べてやれなかった、本当に最低だよ
まみちゃんがぬいぐるみを入れてた時
俺はぬいぐるみは要らないだろって思ってた
でもぬいぐるみはAにとってはなくてはならない
安心材料の一つだったと知る
まみちゃんはちゃんと知ってたAをちゃんと見てたんだよ
次の日俺は心配しているみんなに
Aのいまの状況を説明した
食事をとれてないことカウンセリングを拒んでること
痩せてきていること全部話した
みんなごめんね俺一人じゃAと向き合っていくのは無理みたいだよ
ただでさえみんな忙しいのにAのことまで...
俺ってこんなに弱かったっけ情けないな
Aの何を見てたんだろ
何でも知ってるって思いこんでたよ
何も知らないのに
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作者名:にのかず | 作成日時:2016年4月7日 20時