お兄ちゃんと私 (ページ16)

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嫌でも逃げれないものページ16

それから俺とAちゃんは軽くお昼ご飯を済ませて次の検査に向かった
なんかもうお昼食べる頃にはAちゃんも諦めたみたいでトボトボ俺に俺についてきてくれた
でも、パニック起こすくらいだから本当に怖いんだろうな
きっと俺が想像する以上に恐怖のが勝ってるだろうし．．．
俺でうまくサポートできるかな

ー
豊崎『じゃあいつも通りこれに着替えてね』

『はーい．．．』
あぁ、怖い。どうしよう
今すぐにでも逃げ出したい
おにぃの馬鹿

着替えたらすぐにベッドに寝かされたけどもうすでに心臓バクバク
やだやだやだ．．．手汗も半端ないし．．．
そう思ってたら翔くんが優しく声かけてくれたけどいまは全然落ち着かない
心地いい声じゃない。あぁどうしよう
ソンギュおっぱソンギュおっぱ．．．ダメだ怖さが勝って全然優しいソンギュおっぱの顔が浮かばない

そうこうしてたら先生が身体のあちこちに電気パットを付けてきてもう泣きそう
いやもう泣いてる．．．怖すぎるって

先生『じゃあ始めるね？体調悪くなったらすぐ教えてね？』

『ん．．．』
はいなんて答えてる余裕なんてない
だってもういつ電流走るかわかんないし
うぅ、やっぱりダメ！

結局半泣きで起き上がって一旦中断

翔『大丈夫？』
優しく頭を撫でてくれる翔くんがなんだかお母さんみたいで安心したら涙溢れてきてボロボロ泣いた

『やだ、もう無理帰る．．．』

翔『うん嫌だね．．．』

『帰る、もう検査しない．．．』

翔『これ少しだけ頑張ろう？』
俺がそういえば首を横に振って嫌だと訴えるAちゃん
もう気持ち的にもいっぱいいっぱいなんだろうな．．．
涙が溢れて止まらなくなってる
なにもしてやれない自分がなんだか惨めに感じる

『おにぃのとこ行く．．．』

ベッドから出ようとするAちゃんを止めたらとうとう我慢の限界が来たのかパニックになってしまった

『やだ帰る！病院やだ！検査しない！』

翔『Aちゃんダメ、すぐ終わるからベッド戻ろう？俺一緒にいるから』

『やだ！やんない！』
わんわん泣いてるAちゃんにどう声をかけていいのか悩む
不安なんだろうし恐怖もあるんだろうし痛みもあるし．．．
逃げ出したい気持ちも分かる

そうこうしてたら看護師さんたちが部屋から出てきてAちゃんは少し強引にベッドに戻された