48. 怒っています ページ3
さとみ side
───パチパチパチ。
静かな空間に、手を叩く音が響く。
シ「お見事ね。まさか貴女にあの子が殺せるとは思わなかったわ」
焦りの感情など一切見せず、変わらない笑みのシエナ。
.
『あの子は、本当のサトミではありませんし。……次はあなたですよ。シエナさん』
冷たい瞳に、冷たい声。
サトミを前にして顕にした感情を、また閉じ込めているA。
シ「あら、折角人間らしい感情が見えたと思ったのに。面白くないわねぇ」
『殺しに、感情は邪魔でしかないですから』
淡々と告げる。
.
シ「でも、無感情って訳にはいかなさそうね？」
『……ええ、怒っていますよ。当たり前です』
『大切な友人を、姿だけとはいえ勝手に操作されて殺しの道具にされ、怒らないわけがないでしょう』
後ろにいる俺でさえも凍りつきそうな冷たい殺気。
先程のように感情的にはならず、冷徹かつ獰猛な視線でシエナを見据える。
明らかに今までのAと何かが違う。
.
『私は、貴女を殺す。サトミの為、貴女達に蹂躙された街の人達の為』
『それから、私を助けてくれた《すとぷり》のメンバーの為に』
隣にいるなーくんが息を飲む気配がした。
助けてもらったのは僕たちですよ……。
離れたところから小さな声が聞こえた。
シ「ふふ、じゃあここで貴女は死ぬ覚悟があるってことね？」
『そんな訳ないじゃないですか。彼らに礼を言うまで死にません』
ハッキリした口調でそう言い切る。
.
『私は、誰よりも強い自分の能力に振り回されて生きてきた。制御ができなかったせいで1番大切な人をこの手で殺した』
“大切な人”。そう言いながら、彼女が俺の事をちらりと見た。
何かを伝えようとするように。
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『だからもう、これ以上誰も失いたくはない。今度は大切な人を守るためにこの能力を使いたい』
.
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ねころん。(プロフ) - ゆーさん» あらららら……とりあえずティッシュを……！！そしてもう一周読んできてください！(？)ありがとうございます！ (2022年11月18日 16時) (
レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ネコ日和。さん» ありがとうございます！自分の作品で泣いていただけるとは……！笑 今の自分の文体に合わせて作品の修正なども行っているので、その過程で番外編も書くかもしれません！その時はぜひよろしくお願いします〜！ (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ろりぽっぷ。さん» ありがとうございます！気に入っていただけて嬉しいです！！事情により界隈から離れておりますが、またいつか書いた時にはまた読んでくださいね！ (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いいお話、ﾋｯｸ、すぎて、ｸﾞｽﾞ、涙が、ｸﾞｽﾞ、出てきて、ｸﾞｽﾞ、止まら、ｸﾞｽﾞ、な、ｸﾞｽﾞ、いんですけど、ﾋｯｸ、どうしたらい、ﾋｯｸ、いです、ｸﾞｽﾞ、か？ (2022年11月9日 18時) (レス) @page38 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - 初コメです…！今もう涙で視界がぐわんぐわんしてます。主人公の生き様も、亡き親友の言葉も、全部刺さりました。番外編とかめちゃ見たいっす！！仲良くなった6人とか見たいです！！とっても楽しませてもらいました🤗 (2022年8月15日 21時) (レス) @page38 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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