白銀の彼女は能力者 2〈stpr〉

59. 懐かしい姿 ページ15

A side








くるしい。









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つめたい。









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つらい。









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朦朧とした意識の中、渦巻くのは負の感情ばかり。


『このまま、死ぬのかな....』


それならそれで良いかもしれない。そんな事を考える自分に呆れる。






シエナにああ言ったばかりなのに。









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生きたいけれど、生きていれば苦しいのは分かりきっている。


カイトに迷惑はかけたくないけれど、自分が生きたって良いことは何も無い。









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“A！”


閉じた瞼の向こう側が、突然明るくなる。と同時に聞こえた、懐かしい声。


『走馬灯...？』


にしてはやけにゆっくりしているな、と考えながら目を開ける。









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“やっと起きた！A、ずっと寝てるから心配したよ”


｢.....サトミ....？｣









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真っ白な空間に目が慣れると、飛び込んできたその姿。


何年間も会いたいと思っていた、大好きなひと。









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｢な、んで……サトミがいるの？｣


“そんなの私も分かんないよ〜”


あはは、と軽快に笑う。間違いない、私の友達の、サトミだ。









“まぁいいや、折角会えたんだし。実はずっと見えてたんだよ？A達のこと”


“こちらから干渉は出来ないからさ、見てるだけだったけど。あ、ちゃんとAの日記も見てた”


弟が立派に育ってくれて嬉しいよ〜、と泣き真似をする。







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「……うん、本当に立派だよ。サトミに似て、強いし仲間思いだ」









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