白銀の彼女は能力者〈stpr〉

43. 揺れ動く ページ45

ななもり。 side









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……来た。来てくれた。


正直、死んでしまったかと思っていた。









──『伏せて！！』









彼女がそう言葉を発してから、シエナが現れるまでは一瞬だったから。


でもやっぱり、Aちゃんは只者じゃなかった。









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俺と一瞬目を合わせ、『間に合った』とでも言いたげな表情を浮かべた彼女は、次の瞬間にはまた眼前の敵を見据えていた。









シ「...あら？」


また、嘲笑うような声色。自分に対峙するものを馬鹿にしている態度。


でもAちゃんは、シエナの声を聞いても何も反応しない。









彼女なら、勝てるかもしれない……そう、俺が思ったその瞬間。







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『っ、』


微かに、彼女が息を飲む音が聞こえた。


彼女の纏う空気が揺れる。









な「………？」


迷い、葛藤、悲しみ、怒り。


そして、それらを押し殺そうとする気持ち。


後ろ姿からでもわかる、今まで彼女が見せたことのない感情の渦。








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一体、何があった……？









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