白銀の彼女は能力者〈stpr〉

27. 黄　過去 ページ29

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るぅとくん。


俺とは同い年だけど、俺よりずっと優秀な人。


……そしてずっと、悲しい人。









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《ヒーラー》


それは、戦闘において最も重宝される役割。


メンバーが戦闘中に負った傷を、戦闘を続けながらでも遠隔で治療することが出来るので、治療によるロスタイムを大幅に減らすことが可能になる。









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僕は、攻撃向きの《雷使い》に加えて支援向きの《ヒーラー》を持つ割と珍しいタイプの能力者だ。


……僕がこの学院に入って間もない頃、いろんなことを教えてくれて、任務での戦闘においてもたくさんサポートしてくれた先輩がいた。


僕はその先輩が大好きで、先輩にパーティーに誘われた時ももちろん二つ返事でOKした。


先輩が組んだパーティーなら、きっと居心地もよくて楽しくてそして強い、最強のパーティーを目指せるはずだ。僕は本気でそう思っていた。






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……なのに。









「るぅと！俺戦闘で疲れたからこの荷物持ってって」

「じゃあ俺もよろしく〜」

「僕も！頼むよるぅと〜」









僕はそのパーティーで、ただの荷物持ちだった。


先輩にコツを教えてもらって、自分でも特訓して、より強化されて安定した雷の能力も、回復も、何も使わせてもらえなかった。


メンバーはみんな強かったから、簡単な任務では戦闘中の支援回復など必要なかったっていうのもあるけれど…。








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そんな生活を続けていると、


先輩はもとから僕を回復役としてパーティーに誘ったわけじゃないんだろうな。


ということに気づいて、あんなに大好きだった先輩と一緒にいることがだんだんと辛くなってきた。









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