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Nishizono.Side
翌日
お昼前、屋上で空を眺めていると誰かが入って来た。
『‥‥』
若林「ぁ‥‥」
若林くん。
しかも私の顔見た途端戻ろうとする。
『お昼食べに来たんじゃないの』
若林「‥‥ぇ、あ‥‥うん」
『じゃあここで食べればいいじゃん』
私がそう声を掛けると、ゆっくり振り返って「いいの？」なんて言ってきた。
『別にいいよ。私だけの屋上じゃないし』
若林「あ、ありがとう‥‥」
若林くんは屋上の縁に座った。
お弁当を持っているのに、マスクを取ろうとしない。
『いつもマスクしてるよね』
若林「っ‥‥」
『‥‥別に理由を聞き出そうなんて思ってないから安心してよ』
若林「‥‥に、西園さんみたいに」
若林くんが話しかけてきた。
若林「強い人に‥‥なりたいっ」
『‥‥は？』
若林「顔‥‥ムカつくって‥‥言われたことあって」
『‥‥それからずっとマスクしてるんだ』
頷く若林くん。
『‥‥強くなんかないよ。
‥‥私は逆に若林くんになりたい』
若林「‥‥僕‥‥？」
『うん』
若林「なんで？僕なんか全然‥‥」
『マスク取りたいって思ってるんじゃないの？』
若林「っ！」
『私は‥‥自分を変えたいって思ってる若林くんになりたい』
‥‥心のどこかで変わりたいって誰もが思ってる。
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年4月24日 20時
