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キィ‥‥
明智が制服姿で家から出てきた。
「よぉ」
明智「‥‥」
外には父親が待っていた。
明智「なに」
父「仕事先にお前、紹介しないといけないからさ。
行くぞ」
明智「あー。でも今日、学校から辞める話で呼び出されてるから」
父「待てよ」
グッと父親が明智の腕を掴んだ。
明智「離せよ」
父「あぁあ？」
明智「っ！」
拳を振り上げる父親。
明智はバッと顔を守るように反射的に両腕で隠した。
その姿を見て、父親は笑った。
父「冗談だよ(笑)
早く行って来いよ。
お前学校やめて、俺に２００万返さなきゃだからな。
母親に貰った金、全部使ったろ。」
自分に背を向けたままの息子に「行ってらっしゃい」と言った。
階段を降りると、どこからかサッカーボールが転がって来た。
明智「‥‥」
転がってきた方を見ると、小学生が３人。
明智は何かを思い出すかのようにボールを見つめ、蹴った。
―――――――――――――――
――――――――
――――
明智が中学生の頃の話だ。
まだ、母親も父親も一緒に、平和に暮らしていた頃の話。
サッカーをやっていた明智に、当時父親の経営していた会社の社員をしていた佐藤にサッカーを教えてもらっていた。
明智「佐藤くんってさ、なんでそんなうまいの？」
佐藤「秀一も色々やればわかるよ。
一番大事なのは自分でなんとかすることだ。
人に頼ってちゃ、なんも変わんねぇからな！(笑)」
明智「‥‥そっかぁ(微笑)
！、蘭！」
佐藤「蘭‥‥？」
明智「俺の幼馴染！」
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年5月26日 10時
