金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件

43話 ページ43

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一「大丈夫だよ美雪。こんな距離を往復する必要なんかなかったんだ」

美「えっ？」

一「俺さ、この合宿所に来た時、結婚式を思い出したんだよ。
案内の人が『あっちです。さぁ、次はこっちです』って広い式場連れ歩いて待合室から教会、写真撮る場所へ行って最後に宴会場。
でも不思議なことに、他のグループとは一切出くわさない」

貴方「それって、階段とかエレベーターを使い分けてうまく鉢合わせしないようにスケジュールを組んでるんでしょ？
…もしかして、この合宿でも理系グループと文系グループがうまく鉢合わせしないようにスケジュールを組まれてたってわけ？」

一「そう。俺たちは、遠く離れた二つのロッジで合宿してるつもりだったけど全員、この太陽ロッジに集められてたんだよ」

式部「ウソでしょ？」

堂島「どうやってそんな……」

一「この合宿所は、太陽ロッジも月光ロッジも元建築家の氏家先生が改装を手掛けたって話だったけど、おかしな造りだよね」

そう言ってお兄ちゃんは、見取り図を机の上に置いた。

一「しかも、間取りは全く同じだ。
個室がある2階なんて真ん中にドーンと大きな、ろくに使えもしないレクリエーションルームが陣取っててさ。
その中を通らないと、反対側に行けないようになってる」

堂島「いや、大勢で合宿する時、男女を東の部屋と西の部屋に分けるためだって聞いたが」

一「もっともらしい理由だけど本当の狙いは、月光ロッジの理系グループを犯行の間、太陽ロッジの反対側の個室に寝泊まりさせるためだったんだ」



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