105：泣声の時間【NINOMIYA】 ページ5
8月も1週間が過ぎて、今日が初めての合同練習。
1度スタジオに集合したあと、それぞれの楽屋として割り振られた小スタジオに移動した。
俺たち嵐の部屋と相葉さん一家の部屋は隣同士で、その距離はそこまである訳でもない。
それから少し、それぞれ着替えたりして呼ばれるのを待ってたんだけどね。
急に床がほんの少し振動するような感じがして。
でも地震じゃない、何か違うものだった。
5人で顔を見合わせて、揃って廊下に出ると、隣の部屋から必死に櫻井さんを呼ぶ相葉さんの声が聞こえてきて…。
そっと扉を開けたら、信じられないような光景が広がっていた。
櫻「ぁ…、ぁ…、やだ…、ぃや…！
ど…、しよ…、ど…、よっ…。」
相「翔ちゃんっ？」
櫻「た…、けて、たす…、けて…。」
か細く響く櫻井さんの声と、どうにかして戻ってきてもらいたい相葉さんの声。
Ｎ「櫻井…さん…？」
ポツリと思わず呟いてしまった俺の声を聞いてか、俺たちの方へ振り返った相葉さん。
意を決したように1度立ち上がると、カバンから薬の袋っぽいものを取り出した。
何だかちょっと傷ついたような顔をしていて…。
本当は、薬になんて頼りたくないんだろうなって思ったんだ。
櫻「ぃ…やっ….、ぃや、やめろっ、やだ、
ぎゃあぁぁぁっ！！」
相「ごめんね、翔ちゃん…。」
無理やり薬を飲ませた相葉さんは、大きく深呼吸をして櫻井さんを見つめる。
最後に天井に伸ばしていた手がぽとりと床に落ちると、すやすやという寝息が聞こえてくる。
酷いクマの残る顔は蒼白くて、お世辞にも顔色がいいなんて言えない。
振り返った相葉さんも、何だかやつれたような顔をしてた。
相「おやすみ…。
ちゃんと休んでね、翔ちゃん…。」
櫻井さんをソファーまで運んで寝かせた相葉さんが、優しく声をかける。
ソファーから1歩離れると、相葉さんのその細い膝からかくんと力が抜けて座り込んだ。
S「あ、相葉さん！」
智「まーちゃん！」
和「まーくんっ…！」
相「…ごめん…。」
ぽつりと一言零した相葉さんは、ひとつ深呼吸して頬を叩くと、しっかり立ち上がる。
相「皆さん、驚かせてしまってごめんなさい。
櫻井は最近少し調子が悪くて…。
だから、今日も発作が起こらないかどうか、かなり心配していたみたいなんです。」
後ろでは、リハーサルをどうするかの相談をしているスタッフ達。
それに気づいたのか、相葉さんは静かに口を開いた。
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櫻(プロフ) - 更新頑張ってください！のんびり待ってます (2021年6月9日 21時) (
レス) id: 6316d6d95d (このIDを非表示/違反報告)
廣井愛莉 - 更新頑張ってください (2020年11月20日 22時) (レス) id: 5102f37191 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば(プロフ) - 爽果さん» 暖かいお言葉を頂き、ありがとうございます。印象的だなんて…、恐縮です…。ご愛読頂き感謝です。これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2020年6月19日 1時) (レス) id: 622e401bd5 (このIDを非表示/違反報告)
爽果 - 初めまして。この作品は継続して何度も読ませて頂いております。色々考えさせてくれるとても印象的な作品です。これからもゆっくりでいいので更新お願いします。待ってます。頑張ってください (2020年6月18日 21時) (レス) id: 2f4d1519c6 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば(プロフ) - 青黄赤橙桃LOVEさん» 私は学生の身分ですので、世間知らずな部分があるかとは思います。また、障害と向き合っている当事者の方々にしか分からないことも数え切れないほど沢山あるはずです。不自然な場所等ございましたら、教えて頂けると嬉しいです。これからも、ここでお待ちしております。 (2020年5月20日 0時) (レス) id: 622e401bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年5月19日 17時
