No.10 ページ10
【AIBA】
4枚以上絶対持ってきたと思ってたんだけど、椅子に敷いたりしてたの忘れてた。
智くんをプールサイドに上げた時に、ちょうど切れちゃって…。
智くん、浮き輪に興味津々だったし、翔ちゃんも見てくれてたからダッシュでタオル取りに行ったんだ。
俺が戻ってきて、翔ちゃんの後ろを通り過ぎたくらいかな。
じーっと浮き輪を見てた智くんがパッと立ちあがったと同時に、その小さいからだがふらっと揺れたのがわかった。
智「きゃっ…！！」
ってちっちゃい悲鳴が聞こえて、小さい水しぶきが上がった。
一瞬…、頭が真っ白になって息が止まった。
すぐにタオル投げ捨てて飛び込んで、今までにないくらい真剣に泳いだよ…。
ほんとに怖かった。
片腕しか使えない分、両手でバランスを取れないし、水を掴めないから…。
必死に顔をあげようとしてじたばたする智くんを、1秒でも早く助けないとと思った。
苦しそうな、泣きそうな顔で俺に手を伸ばす智くんを、絶対に助けなきゃって…。
俺が抱き上げた時には既に顔が半分くらい水に埋もれちゃったところで…。
抱っこしてそのままプールサイドに腰掛けた。
智「げほっ！！げほ、ごほっ！…うっ…！」
沢山水を飲み込んじゃってえずいてしまった智くんの口元に、さっき遠くの方に投げ捨てたタオルを当てる。
智「っ…は、げほっ！げぇ…っ…！おぇぇ…！」
水っぽいやつが小さな口から吐き戻された。
なんで俺、離れちゃったんだろう。
なんで、1人にしちゃったんだろう…。
ビクッと何度も波打つ小さな背中をさすりながら、何度も何度も『ごめんね』って言うことしか出来なかった。
こんな俺なのに、智くんはギュッて俺の腕を握ってくれてる。
俺に、しがみついてくれてる。
…どうしたら、この子の笑顔を取り戻せるかな。
どうしたら…、水への恐怖心を取り除くことが出来るだろう。
智「おぇ…。けほっ…！げほっ…、んっ…。」
A「ごめん…、ごめんね、智くん…。
怖かったね…、ごめんね…。」
吐き気がようやくおさまった智くん。
ぐったりしちゃった…。
…どうしよう。
なんでこんな誕生日にしちゃったんだろ…。
遠くの方では、和也くんが泣き叫ぶ声が聞こえる。
智「…あ、ば、ちゃ。」
A「ぇ…？」
智「さと…、へーき…。
だか、ら…、かず…。」
『かずのところに、いってあげて？』
…ちがう。
違うよ智くん。
求められてるのは、君なんだよ…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
