No.32 ページ32
【MASAKI】
櫻「…っん、っ…おぇ…ぇ…っ…！」
相「辛いね、翔ちゃん…。
上手に吐けてるよ。」
苦しそうに戻す翔ちゃんの震える背中。
トントンって優しく叩く。
もう一昨日からこんな状態で…。
嘔吐に39℃の高熱、ひどい頭痛にずっと寝たきりのせいで続く腰の鈍痛、たまに起こる痙攣。
その上意識が朦朧として、ろくに喋ることも出来ない。
手術痕もじくじく痛むって言ってた。
正直…、翔ちゃんも辛くて苦しくて、嫌気がさしてるんだろうな。
櫻「…もぅ…、やだ…、やだぁ…っ…。」
…子供っぽくなっちゃって。
気持ちが後ろ向きなせいか、病状も悪化の一途を辿る。
櫻「…ったい…っ…、あたま…、われ、るっ…。」
ここまで弱ってると、俺も双子を入れてあげられない。
これよりも苦しませる訳にはいけないから…。
翔ちゃんは、こんなに頑張ってるのに。
大好きな作詞の仕事も出来ない。
双子のお迎えに行きたいって何度も言ってるけど、そんなのも当然無理。
自分一人で歩くことさえ出来ない。
…今は、義足が装着できないから。
櫻「…っ、あいたい…。」
相「え？
とうしたの、翔ちゃん…？
だれに、会いたい？」
櫻「智くん…、和也、くん…に、あい、たい…。」
相「でも翔ちゃん…。
2人、声がおっきいから頭が痛くなっちゃうよ？」
櫻「それ…でも、い…。
あい…っ、たいっ…。」
相「翔ちゃん…。」
ぼろぼろ大きな目から涙を流す翔ちゃんみたら、誰も断れないよ…。
相「…分かった。
明日、連れてきてあげるから…。ね？
だから、ちょっとだけでも元気になろう？」
櫻「ほん、と…？」
相「うん。
連れてくるからね。」
櫻「…ん。」
相「だから、今は頑張ろう？
ね？」
櫻「…うんっ…。っ…うっ…！」
相「翔ちゃん？
気持ち悪い？」
こくんと頷いた翔ちゃん。
俺は慌てて洗面器を用意する。
櫻「…っ、げほ、うぇっ…！」
…辛いね、翔ちゃん…。
もう吐き出すものだって残ってないのに、休む暇もない。
ずーっと辛いままなんだ。
夜眠れてても、頭痛や痙攣で起こされる。
だから、常に寝不足状態なんだよ。
早く…、早く治りたいね…。
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
