No.13 ページ13
【SAKURAI】
午後2時30分。
4時前くらいにはここを出たいから、そろそろ起こそうって話になって、2人を起こしたんだけど…。
和「さと、プールはいろ？」
智「…ん…。」
智くんは和也くんの願いを断ることは出来ないらしい。
和也くんが誘ってみると、不安そうだけど小さく頷いた。
2人を抱き抱えて、浅い方のプールの縁に座らせる。
和「ありがと、さくらいくん！」
智「あ、がとぉ…。」
和也くんは、多分分かってる。
やたら大人っぽい子だからね、ニノみたいに。
自分の大切な片割れが、水を怖がってること。
それから、自分が誘えばほとんど断ることが出来ないってこと。
和也くんも智くんのことが大好きだから、怖がってるのを治してあげたいんだよね、きっと。
和「くふふ、さと、はいろ？」
智「…っ…。」
和「だいじょーぶ、こわくないよ。」
智「…、やだ、やっ…。
こわい、こわいよぉ…っ…！」
和「さと…。」
智くんの目からポロポロ涙が溢れ出たのを見て、和也くんの表情が一変する。
智くんを元気づけるために一生懸命出してた笑顔が、急激になくなった。
和也くんの表情も苦しそうに歪む。
和「さと…、おみず、こわい…？」
智「っ、ひくっ…、こわっ…、いっ…！」
和也くんの問いに智くんが答えると、和也くんは智くんをぎゅっと抱きしめる。
和「さとは…、かずのからだ、きらい？」
智「…っ、ちがうっ！」
和「くふふ、ありがと。
かずがへーきなんだよ？
さとだって、だいじょーぶ。」
…きっと和也くんは、脚がない自分が大丈夫なんだから、きっと智くんだって大丈夫だよ…って、そう言いたいんだろう。
自分が自分を傷つけてしまうことも恐れずに相手を助けようとできるその優しさは、二人とも本当に深いものだと思う。
智「…っ、こわいの…、かず…。」
いつも和也くんにはお兄ちゃん気質な智くんの、気弱な本音。
智くんの細い片腕が、和也くんの背中に回る。
和也くんはやっぱり涙をこぼしてしまう智くんに不安な表情が隠せない。
震える智くんの背中越しに、俺と相葉くんの顔を見つめてくる。
ん？
…『さ』？
……『さとしを、たすけて…。』
和也くんが、薄くて小さい口を一生懸命に大きく動かして伝えてきた言葉。
俺達は、親指を立てて笑いかける。
…大丈夫。
こっちには秘策と、ミラクルボーイがいるからね。
俺たちに、任せて？
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
