出会いは唐突に ページ1
つまらないことはキライ。
ひとりぼっちは、もっとキライ。
長い人生、楽しいことだけをして生きていきたい。
その日もきっと、ただの退屈しのぎだったのだろう。
『お兄さん。
そんなところにいると先生に怒られちゃいます』
誰もいない職員室。
そこには私と、一人の男がいた。
教員用の机の引き出しを開けた彼に、愚かな私は恐れも知らず声をかける。
ゆっくりと、彼はこちらを振り返った。
「お前、なんでここにいるの？」
その顔は大きな手に覆われてよく見えない。
けれどその声は少しの驚きを含んでいる。
普通ならば得体のしれない人物に対し恐怖を覚えて逃げ出す状況ではあるが、私は恐らく、その世間一般で言う『普通』ではないので、喜んでその場に留まる。
そんな気持ちを知らない不審者さんは、こちらを警戒しているものだからなんだかおかしくて。
私は静かに、ゆるりとわらった。
『セキュリティの突破なんてただマスコミにできる訳ない。なので確実に手を貸した人がいると考えました。』
「…」
彼は何も言わない。
『じゃあ次に、その人がリスクを犯してでも達成したい目的は何か。そう考えたらなんとなく分かりました。』
「…へえ、頭がキレるんだ」
それは厄介だ、と彼は私に近づき、そして手を伸ばす。
スローモーションのように近づく彼の手。
しなやかに近づく、真っ白くて長い指。
そしてその先から微かに覗く、紅い色。
個性を使おうとしていることは分かっている。
私を消そうとしてることだって。
それでも私は身動き一つせずにこうしている。
『きれい』
美しかったから。
ただそれだけの理由。
吐息を吐くように出たその言葉に、彼の戸惑ったように揺れた5本の指が頬に触れた。
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あかね - 私の夢主の名前が紅月なので、私は紅月紅月 になってとても驚きましたw (2020年9月27日 21時) (
レス) id: bb192a1a19 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの少女 - 読んでてすごく面白いと思いました。これからもがんばってください！ (2019年8月6日 2時) (レス) id: e0a9634d23 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - 幸哉さん» コメントありがとうございます！甘い展開というよりかはストーリーメインなので、これからも楽しんで貰えたら嬉しいです！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
幸哉(プロフ) - あれ…？死柄木推しじゃないのになぜか読み進めてしまいます…！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: 809d850eff (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - akuaさん» ありがとうございます。とても励みになりました(^^) (2019年5月9日 15時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のえたん x他1人 | 作成日時：2018年10月28日 15時
