苺は謳わば ページ6
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職場から自宅に戻る夜道の片隅に、その男は沈黙している。
人で賑わう花街を過ぎ、角の仕立て屋を曲がったところに川が流れている。
海へと伸びる大きな運河。
そこに架かった橋の向こう側に、それはいつも居るのだ。
わたしが家に帰るためには、必ずその男の前を通らなくてはならない。
真っ暗な夜道の、真っ暗な闇のなかに溶け込むようにひっそりと息をする男。
彼はいつもおなじ格好をしている。
細い身体にさらしを巻き、パーカーを着て、その上から赤い着物を羽織っている。
顔は、被ったフードのせいでほとんど見えない。
そうして彼は、いつも奇妙なものを手にしていた。
それはおそらく、ギターと呼ばれる楽器だった。
あぐらをかき、大きな木の塊を抱え、左の手で細い部分を握りしめ、右の手で六本の弦をはじいている。
夜の街にうっとりするような音色が響いて、わたしはまた、その音をすこしでも長く聴いていようと足をゆるめるのだ。
わざとらしく、月を眺めるふりなんかして。
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べに(プロフ) - ココナッツさん» うわあああああココナッツさん！ありがとうございますわたしも好きです(T T) (2018年3月14日 18時) (
レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - うわああああべにさんっ！うわああああ…(ワケわからなくてごめんなさい、汗)…好きですっ！ (2018年3月14日 15時) (レス) id: d0c3580366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2018年3月13日 0時
