第八話 ページ8
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「「「「6年間‼⁇」」」」
暫くしてまた絡まれた私は、臣との馴れ初めやいろんな事を質問攻めされた。
そして付き合ってどのくらい⁇って質問に答えると、心底驚いた声を上げられた。
「6年間って事は…高校の時から付き合ってたんですか⁉」
「うるせえ。鼓膜が破れる」
「あかん情報量だらけでもうストレージいっぱいや‼ 一旦休ませてくれ‼」
「何言ってんの?」
あー、これ後で私怒られるやつかな。
ペラペラ喋りすぎだ。って怒られそう。
嫌な予感がしたのでこれ以上何も言わないでおこう。
そう誓った矢先、ミミズクヘッドの木兎さんにまた質問を投げられた。
「てかAちゃんはオミオミのどこが好きなの⁇」
「え、」
おもわず素っ頓狂な声が出た。
その質問に「それ俺も聞きたい‼」って周りも前のめりになって私の返答を待っている。
チラッと臣の方を見てみれば、どう思っているのか分からないけど私の目をジッと見ていた。
「あー…そうですね、えーっと…」
あれ、出てこない。
どこが好き⁇ 私臣のどこが好きなんだっけ。
逆にどこが嫌かって聞かれれば嫌と言うほど出てくるのに、それが好きってなればすぐに出てこない。
どんどん焦りが出てきて言葉に詰まる。
そんな私の様子を見て木兎さんが笑った。
「はっはっは‼ Aちゃんめっちゃ悩むじゃんかよー本当に好きなのかー⁇」
「も、もちろんですよ‼ もう、恥ずかしいんでここでおしまいです‼」
その言葉に内心ギクッとした私は、もう笑って誤魔化す他なかった。
そう言って逃げるようにキッチンに向かう。
心拍数が上がっていく。変な汗も掻いてきた。
キッチンに飛び込んできた私を見るなり、黒尾はギョッとした目で私を見ている。
ああ私、今どんな顔してるんだろう。
「え、どしたのAサン」
「……なんでもない」
『本当に好きなのかー⁇』
好きだよ。
好き。
好きだよね。
私臣の事好きだよ、ちゃんと。
ちゃんとって何…⁇
『佐久早のどこが好きなの⁇』
………分からない。
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作者名：林檎 | 作成日時：2020年6月19日 16時
