第七話 ページ7
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「いらっしゃいませ、お待ちしてました」
予約の時間通りに訪れたその8人はまるで異次元。
兎に角デカい。臣も背が高いけど、束になると迫力が段違いだ。
それを把握して8人席に机を足して10人席の広さにしてたけど、それでも端の人の片足が机から出ている。
アスリートって凄いなあ。
「あ‼‼ もしかしてオミオミの彼女‼⁇」
おしぼりを1人1人渡しているところに、突然声を上げて尋ねてきた白髪で変わった髪型の男性にビクッと肩が揺れる。
『うるさいミミズクヘッド』
あ、この人の事ね。はは
「え‼ まじですか臣さん‼」
「この子が噂のAちゃんか‼ めっちゃ可愛いやん臣君も隅に置けんなー」
途端盛り上がるチームメイトに、あからさまに嫌そうな顔をする臣を見て苦笑いが溢れた。
恐らくこのオレンジ頭の子がうるさいチビで、関西弁の子がうるさい金髪なんだろう。
でも私は君とは違って常識人ですし、何より相手はお客様なのでちゃんと挨拶させていただきますよ。
「ご存知だったんですね、中村Aです。今日は来てくださってありがとうございます」
何ド真面目に挨拶してんの。と言いたげな目線を送る臣を無視してニコッと笑顔を見せる。
「いやあ、まじで佐久早に彼女がいたとはなあ。しかもこんな可愛い子」
「今日初めて知って急遽Aさんに皆で会いに来たんです‼」
言ってなかったんだ、付き合って6年も経つのに。
まあ自分からわざわざ言うような人じゃないって分かってるけど。
オーダーを受けた後、黒尾に来たよって知らせればなんやかんや嬉しそうに挨拶に向かった。
お酒で盛り上がって楽しそうだ。ただ1人を除いて。
でも良い人達だらけで良かった。
肩を組まれて絡まれている臣を見て思わず笑ってしまった。
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作者名:林檎 | 作成日時:2020年6月19日 16時