第三十八話 ページ38
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『パワーカレーでサービスエース』
不意に流れたcmに侑君が吹き出した。
「くっ…くく、あかん本間このcm何回見てもおもろい」
「なにこのcm、一瞬カメラ見失ってたよねシュールすぎない⁇」
侑君によると1つ年下で、同じVリーグのdivision1所属でセッターらしい。
「ユース合宿で同じやった時はただのお利口さんや思てたんやけど、これがまたえらいバケモンでな〜」
つらつらと高校時代や、最近のバレー話を話してくれた。
侑君はいつも笑ってるけど、バレーの話になるとより楽しそうに笑ってるなあ。
聞いてるこっちまで楽しい。
「侑君のバレーしてるとこ見てみたいな」
「えっっっ‼ 見たことないん⁉」
「ないよ」と答えれば「え、臣君の試合とか見にこんかったん?」と言われた。
まあ確かに彼女だったし、普通に応援しに来てたと思われても仕方がないか。
私も行きたいって何回か言ったんだけど「集中できない、来んじゃねえ」って言われた。
プロ入りしてからはテレビでも見れるけど、その頃にはもういいやーって諦めてたんだよね。
「俺のスマホん中試合のムービー入ってあんで、見る⁇」
「見る‼」
スマホとテレビを繋いで見る事が出来るコンセントがあるからそれで見る事にした。
分かってはいたがやっぱり侑君がバレーをしている姿はカッコよくて、凄くて鳥肌が立った。
あのパワーカレーの彼も思ってた以上に凄い選手だったし。
「うわ‼ 凄い今なにしたの⁉」
「ツーアタックってゆってな、トスを上げると思わせといて不意に相手のコートに落とす技やねん! 決まったら気持ちエエねんな〜」
凄いしか出てこない。
あ、
すご。
『決まったーーッッ‼ 佐久早の回転スパイク‼ 』
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作者名：林檎 | 作成日時：2020年6月19日 16時
