第二十二話 ページ22
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「次の男はまさか宮侑とはね〜」
「変な言い方しないでよ、てかまだ付き合ってないし」
翌日。仕事の休憩中に夏祭りに行く事を黒尾に話すと、スマホでその祭りの公式サイトを調べ出した。
「約1万発の花火だってよ!」
「祭り会場から割と近いしお客さんいっぱい流れ込んで来そうだね」
「オーダー混むんだろうなあ、めんどくせ〜〜」
めんどくさいとか言うなよ社員さん。社長にチクるぞ。
忙しくなるのは目に見えてるから少し罪悪感がある。でもここは楽しませていただきます。
あ、そうだ
「ねえ浴衣着るor着ないだったらどっちがいいと思う⁇」
「お前の浴衣に需要があるかどうかは別として、まあ着たほうが喜ぶんじゃない」
一言余計かよこの馬鹿猫。
実はあるんだよね、ミントグリーンの浴衣と白い帯。
デザインめっちゃ可愛くてほぼ衝動買いだったんだけど、臣に見せたかったなあ。
まあ叶わず終わったけど。はは。
「で⁇ そろそろなんじゃねーの⁇」
「なにが⁇」
「告白。するって宣言されてるんだろ?」
(一緒に過ごしてや、俺が本気やって事分らせたる。次Aちゃんに告白する時即答させたるから、俺にAちゃんの時間くれ)
あれから約3ヶ月。
宣言通り侑君は私にどれだけ本気かって事を伝えてくれた。
黒尾の言う通り、そろそろなのかもしれない。
夏祭りの日に、もしかしたら…
「Yes or No」
「………Yes…かな」
そう答えると、キャーーーー‼ と口元を両手で隠して気持ち悪い声を出した。
やめろその顔。ニヤニヤするな‼
「これで新たな恋に進めますねAサン」
「失恋には新しい恋が1番って良く言うだろ⁇」と、黒尾はどこかで聞いた事のあるセリフを口にした。
「新しい恋か…」
別に未練は無い筈だけど、気が付けば臣の事を思い出してる事がある。
一応6年も一緒にいた訳だから、情から来たものだと思うけど、
何故か臣の事を思い出している時、切なくなってしまっていた。
それもきっと6年一緒にいたからだ。
そうに違いない。
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作者名：林檎 | 作成日時：2020年6月19日 16時
