第十八話 ページ18
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やっぱり昨日は飲み過ぎた。
あの後深夜遅くまでやってる居酒屋に梯子して、それからの記憶がない。
どうやって帰ったんだっけ、それすらも覚えてない。
ベッドの隣にペットボトルの水と置き手紙があった。
�爐�はよーさん 飲み過ぎ 水飲めよ��
どうやら黒尾が最後まで介抱してくれたらしい。
普通に申し訳なさすぎて慌てて電話で謝罪した。
すると「ま、たまにはいいでしょ、また飲みに行こうぜ」とケラケラ笑う黒尾の器の広さを痛感させられる事になった。
とりあえず二日酔いで頭が痛い。
頭痛薬を飲もうとしてベッドから体を起こすと、同時にスマホが鳴った。
��Aちゃんあれからどーなん⁇ 臣君と仲良うやれてる⁇��
通知の相手は侑君。
そっか、チームメイトとはいえ臣がわざわざ皆に別れたなんて言わないか。
侑君は何も悪くないけど、別れの発端が彼とのやりとりを臣に見られた事だから、少し悩んだけど素直に別れたと送る。
すると間髪入れずに今度は着信が鳴った。
「もしも、」
「別れたって本間なん！！！！？？？」
鼓膜が破れるかと思った。
「あ、ごめん‼ びっくりしもーて‼」と驚きを隠せない声。
「え、いや、ほんで⁇ まじで別れたん⁇」
「うん一昨日に」
「そうなんや、やから臣君あんな…」
1人呟くように話す侑君の声が聞きとれない。
「え⁇ なんて⁇」
「いや、何もない‼ てかなんで別れてしもたん⁇」
まあそうだよね、そう聞かれるよね。
でも別に一昨日侑君とのやりとりを臣に見られなくても、遅かれ早かれ私の限界は来ていただろうし。
それを強調しながら、侑君に話した。
「ちょ、本間ごめん」
「ううん違う違う、ほんとに侑君は悪くないから! むしろ私にとって心の拠り所だから! ありがとう‼」
だからどうか謝らないでほしい。
しかし侑君は謝る事をやめない。
「ちゃうねん。いや、ちゃうことないねんけど………
なあ、別れてすぐのところに漬け込む様でごめんやねんけど、俺Aちゃんの事実はええなって思ってて、」
「え」
言われた言葉の理解が追いつかない。
侑君は秘密を打ち明けるように言葉を紡ぐ。
「お悩み相談窓口とかゆうときながら、本間は俺やったらAちゃんにそんな思いさせへんのに、とか俺やったら大事にしてやれんのにとか思ってて、せやからつまり…
ごめん、好きやねん」
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作者名：林檎 | 作成日時：2020年6月19日 16時
