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痛い勝己くん ページ5

「勝己、午後の基礎学何やるの?」

「知らねぇ」

「あ、そっか。まだ最初の授業か。」


食後、パックのジュースを吸いながら廊下を歩く。


「基礎からだろ。つまんねぇ。」

「いーや、雄英を舐めちゃ行かんよ少年。」

「んだよそれ。」


いつもよりぎらついた目。

どこか、虚ろで寂しげな。


「…なんかあった?」

「あ?」


時計の針は始業15分前を指す。

少しぐらいなら話せるだろう。

何も言おうとしない勝己の手を引いて、裏庭に向かった。


「さぁ吐け、少年。楽なるぞ。」

冗談めかして言った。

ベンチに座り、隣に来るよう促す。

俯いたままの顔、表情はよくわからない。


「…鳴流」

「ん?」

「ヤらせろや」

「は?あ、ちょっと!おい!」


そのまま覆いかぶさってくる勝己。


「勝己っ!ちょ、!このっ、ばかー!!!」

「ってぇ!!!」


手に溜めた雷をピリッと勝己の身体に流すと、その痛みから飛び退いた。


「勝己。」


痛む部分を摩っている勝己の目線に合わせてしゃがみこんだ。

涙目になってこちらを睨む勝己に向かって手を広げる。


「おいで。」


ぴくっと、眉毛が歪んだ。

そして押し倒す勢いで抱きついてきた。


「…重いね」

「…っせぇわ、」


重い、広い背中。甘い香り。

間違いなく男の子なその身体が少し震えていた。


「…でー?なにがあったのー?」


優しく背に手を回して語りかける。

一つの深呼吸のあと、言葉が漏れた。


「デクのやつ、…個性隠してやがった…」

「え…?」


出久に個性?


「どういうこと?」

「…個性…ド派手なやつ、使いやがった…っ、」


無個性の出久が雄英に合格した。

その事実に驚いていたが、まさか、個性があったなんて。

わたしも驚いてしまった。


「ずっと、俺を騙していやがった……ッ!」


苦しそうな声にハッとした。

いつもいっしょにいて、育ってきて、あんなに互いを見知った二人。

決して良好な仲では無かったが、確かに他とは違う繋がりのあった相手だからこそ、こんな痛々しい声が出るのだろう。


「…勝己、」


宥めようと頭に手を伸ばしたところで振り払われた。


「戻る」

「え、でも」

「お前も遅刻すんぞ」


伸ばした手が空を着る。

…少し、わたしが心配しすぎなのだろうか。

予鈴が鳴る。

なんとなく危険な予感がしたが、どうすることも出来ず、一人教室への道を急いだ。

出久の無茶→←稲光は上手



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二次オタ - いえ!人は間違いの多い生き物ですからね!小説、楽しみにしてます。頑張って下さい! (1月2日 15時) (レス) id: a5ebf9ad30 (このIDを非表示/違反報告)
シの(プロフ) - 二次オタさん» ごめんなさいごめんなさいなんかこの作品誤字多いですね、ごめんなさいごめんなさいありがとうございますありがとうございます (1月1日 20時) (レス) id: a536d541af (このIDを非表示/違反報告)
二次オタ - 稲光は上手、で慌てて謝ると話してくれたが、って離してくれた、ではないでしょうか? (1月1日 20時) (レス) id: b46397929a (このIDを非表示/違反報告)
シの(プロフ) - 紅羽さん» 中井ってなんですかね笑 なかいでですかね。ありがとうございます (2017年12月15日 22時) (レス) id: a536d541af (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 出久の無茶で、「たくさんの怪我の中井」となっていましたよ! (2017年12月15日 22時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シの | 作成日時:2017年12月10日 20時

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