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MOON / Teru ページ7

side you.





「ねぇ…、もうやめようよ」



真っ暗な生徒会室で

輝の背中に、小さく言葉を投げた。


輝は今まで動かしていた手をぴたり、と止めて

ゆっくりと、私の方を向いた。


私と輝の間にあるのは、

窓から差し込む、満月の月明かり。

それだけとは、限らない。



「…やめる?なにを?」



静かに響く輝の声に肩が上がる。


、、嫌われるかもしれない。


そんな思いが、私の体に力を入れていた。



「花子さん祓うの、やめよ。花子さんは悪い怪異じゃ、ない」



震える声を、なんとか振り絞り

握った掌に爪を立てた。


暗闇がお互いを隠して、

輝が、どんな表情なのかも分からない。



「アイツは危ない怪異なんだよ。だから祓わない、なんていう選択肢はない」



温度のない声で言って、

少し近付いてきた輝。


でも、まだ顔は見えない。


輝に同意出来ない私は

さっきよりも大きい、声をあげた。



「でもっ、」



私が言い終わるよりも

だんっ、と音がなり

背中と手首に痛みが伝わる方が、先だった。


数秒経って、机に押し倒されたのだと理解する。



「ちょっ、てる?」



反射的に閉じていた眼を開けると

悲しそうな顔をした輝が

月の光に照らされていた。



「Aは、僕だけが居ればいいだろう?ならアイツが祓われようが関係ないじゃないか」



目を細めた輝が、はっきりと見える。


その顔を見て、反論する気が失せた。


いつもそうだった。


私は輝の、この顔に負ける。


ぼやけてきた視界の先で

輝はまた、口を開いた。



「あとAは、もう少し祓い屋の自覚を持った方がいい」



そう言った輝は、私の手首から手を離し

生徒会室から出ていった。


その背中が消えたあとに、

私は起き上がり、眼に溜めていた涙が流れる。



こんなのなら、



「私たちは、祓い屋になんか、ならない方が良かったんだよ…」



生まれた家のせいで

それは逃れられない運命だったけど


私たちが、普通の学生だったなら

もっと、上手くやっていけたはずなのに。



ぽたぽた、と落ちた滴は



手首についた三日月の跡を濡らした。









______________

めちゃくちゃ長ぇ。←

そして私は何が書きたかったんだ…。

未来 / Amane→←蛍 / Amane



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透空(プロフ) - いふ.さん» ありがとうございます!ゆっくりですが更新頑張ります! (2020年7月15日 0時) (レス) id: 0ba7269771 (このIDを非表示/違反報告)
いふ. - あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛更新来たあああああああ!!!!これからもずっと応援してます、頑張ってください!! (2020年4月14日 22時) (レス) id: b8e84164cf (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - 夜鈴さん» ありがとうございますっ。表現は今勉強中なのでもっと良く書けるように頑張ります! (2020年3月27日 11時) (レス) id: eb1312b7ac (このIDを非表示/違反報告)
夜鈴(プロフ) - 胸がキュンッてなったり、締め付けられたり…とっても面白いです!!表現の仕方もいちいち綺麗で素敵です!! (2020年1月28日 22時) (レス) id: c9817942a9 (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - 花っち♪さん» 大好きなんて、有り難うございますっ。頑張りますね。テストが終わったら、一番に更新します。笑 まだまだ先ですが…。 (2019年9月23日 11時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:透空 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年5月3日 22時

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