ドキドキするのかわかんないサバイバル。 (ページ36)

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距離感ページ36

あれからどれくらい経っただろうか…深く、深く深呼吸する。
泣くのに夢中だった私は、目の前に広がる視界と、顔に当たる感触で我に返る。

「！！」

いきなり暴れだす私を見て切原君はどうした？と声をかけてくるが、腕だ、腕を緩めてくれ。

暴れている私を見て楽しんでいるのか、切原君はニマニマっとした顔で上から顔を覗く
恥ずかしいのと、ここ30分でとてつもないダークマターな黒歴史を作ってしまった自分に激しく後悔をする

「腕緩め……」

ｶﾞｻｯ

近くの雑木林から物音がし、切原くんは慌てて私から離れる。

赤也「お、おい、今向こうから音したよな？」

「はい間違いなく。ﾀﾞ､ﾀﾞﾚｶｲﾏｽｶｰｰｰ」

問いかけては見たが、誰かが出てくるわけでもなく雑木林はシーンと静まり返っていた。
この島の雑木林には蛇が居るため、夜に誰かが潜んでいたとは考えにくいが何かの気配がした気がしていたため少し背筋がﾋﾝﾔﾘする感覚が背中に走る。

まぁ、気のせいだと思う(いたい)んだけどね。

赤也「そ、そろそろ戻るか？皆んとこ」

「ｿｳｼﾏｼｮ」

帰る道中で切原君が会話をだしてくれてはいたものの、いきなり縮んでしまった距離感にお互いがついていけずどこかｷﾞｸｼｬｸしてしまっていた。
部屋の前に着き、じゃあなと片手をﾌﾘﾌﾘする切原君を姿が見えなくなるまで見届け、自室のベットに潜り込む。
ボーっとする頭を無理矢理働かせ、自責の念から1人反省会を始める。

私だって一応中学2年生思春期真っ只中の女子だ。
しかも、彼氏という存在なんていた事もない純情街道まっしぐらなウブ女。好きな人いた事ありますか？と聞かれたら胸を張って、ありません！と全力挙手で答えるだろう。
人との距離感だって一応はある程度のパーソナルスペースを作ってきたつもりだ。男女間なんて尚更。あんなバスケ部で不祥事を起こさなかった事が何より証拠だろう。
そもそも、切原君は何故私に対してそんなに働きかけたのだろう。つい最近出会ったそこらの女子の事何てどうでもいいでは無いか。

布団の中でぶつくさ呟いていると、彩夏とつぐちゃんが私の体調を心配し、声をかけてくれた。
日頃の疲れから悪夢を見て寝言を言っていると思ったらしい。
「大丈夫」と一言添え、疲弊した脳みそを休めるために、私は2人より少し早く眠りにつく事にした。

どうか明日には切りかえて普通に接せますように

なんて、無理な願いを添えて。