涙 ページ35
「うちのバスケ部最初は最悪だったんだ。お前のこと嫌いだの、センスねぇなって言い合いになるだの、汗かきたくないだのなんのって。」
赤也「す、すげぇな」
「私もバスケやってたんだけど、怪我で手術してから激しい運動を控えないといけなくなって、それでたまたま募集してた男子バスケ部のマネージャーになったの」
赤也「よく入ったな」
「バスケに関われる方法がそれくらいしかなかったから、女バスは募集してなかったし、」
赤也(それでもだろ)
「大して上手くもない癖に練習やらないわ、物の管理ちゃんとしないわ、女子連れ込んで修羅場起こすわ…まだあるけど聞く？」
赤也「え、遠慮するぜ」
「そんな中でも真面目にやりたい人達は居たから…だからチャラついてるやつ端からぶん殴ってってさ。(他にも嫌がらせまがいの事沢山したけど)その人達に尽くしているうちに真面目にやる人が増えていって、色々あったけど最終的に皆まとまって掲げた目標は優勝。私はぶん殴った分優勝させるね。って」
赤也「…おう(聞き捨てならない暴力的表現あったけど、スルーでいいのか？汗)」
「切原君どうかした？」
赤也「なんでもねぇ」
「で、今いい所までいったんだよー準々決勝が近々あって、、」
赤也「…」
「あるのに。このままだと、間に合わないんだよね…」
今までは我慢してた、いや、気付かずずっと話していたのかもしれない、目から少しずつ溢れ出てくる涙が私の頬を伝う。
悲しいというより、とてつもなく悔しいのだ。
氷帝から学校が近ければ毎日でも会いに行くのに、毎日タラレバを頭の中で吐き続け、自分の気持ちを無視したツケが回りに回る。素直につぐちゃんと彩夏に話していれば、ほぼ初対面の彼にこうやって迷惑かけずにすんだのに
「ごめん切原君」
赤也「いや、その、ガラにもねぇーこと言うけど、わ、笑うなよ？…その泣きたい時とか、たまにゃ泣いてもいいんじゃね、？」
(ニマニマ)
赤也「おい！！笑ってんじゃねえよ！！お前わざとだろそれ、泣いてんの知ってんだからな！！弱点だかんな！！」
彼はかなり慣れてない事を言ったからか顔は真っ赤だ。
片手で顔を隠していた切原君だが、顔から手を外した瞬間の腕を掴み引き寄せる
恐らく胸を貸してくれたのであろう
驚いた気持ちもあったが、変な茶番を挟んでも誤魔化しただけにすぎず、強い安心感から涙は出てくる。
声は出さず静かに泣く私を切原君はずっと胸に留めて置いてくれていた_____
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2020年12月2日 3時
