探索・・・3 ページ25
「氷帝テニス部も練習中ギャラリーって出来るんですか？」
跡部さんは少し驚いた顔を見せ、すぐ自信に満ち溢れた表情に切り替える。言葉で聞く前から返事はわかった。
跡部「当たり前だ。試合の時はかなりの女子生徒が応援に来る」
自分の考えていた解答と、跡部さんの解答が合致する。
彩夏がこの合宿に集まっている人達の事をかっこいいかっこいいと褒めちぎっていた為、女子人気はきっと高いのだろうとは考えていたが、まさか本当にギャラリーが出来るまでとは思って居なかった。それに試合にまで顔を出す女子が居ること(それも大人数)も驚きだった。
跡部「なんだ、興味あるのか？お前が望むなら他校からのマネージャーとして引き抜くが」
「え、遠慮ｼﾏｽ」
育てがいがあるという面ではとても興味があるが、流石に自分からいびられに行く程ドMではない。何より競いはいいが争いは嫌いだ。いや、まてよ。氷帝学園様ならボディーガードとか……現実を見よう。
跡部「そんなに
「あ、それは行きたいです」
跡部「それはってなんだよ」
この後も跡部さんに氷帝の事について聞いてみたが、学食はいい料理人さんが作るなり、テニス部レギュラー陣でカニを食べに行くためだけに北海道へ飛んだやら一般的にはありえない次元の飛んだ話をされた為、氷帝について聞くことを諦めようと思った。
行ってみて初めて分かることもあるよね。
「跡部さん、あそこなにか見えます」
跡部「森を抜けるみたいだな、あれは海に抜けてきたか？」
森を抜けて姿を現したのは、海だ。
あまりめぼしいものは見つからない。強いて言うなら
「離れ小島がありますね」
今は潮が満ちてしまっているが、きっと特定の時間になったら行けるようになるであろう、小さな離れ小島が、大きい海の上に浮かんでいた。
跡部「それ以外特に何も見つからないな」
「少し歩き回ってみますか？」
跡部「そうだな」
辺りを少し探索してみたが、青くて綺麗な海が広がるだけで新しい発見は特になかった。
跡部「収穫は離れ小島くらいか。そろそろロッジに戻るぞ」
「あ、」
水族館のふれあい広場で触れるアイツがいるのでは無いかと期待して私はある場所に向かって突き進んだ。
跡部さんは何かあるのだと思っているのだろう。後ろを着いてきてくれている。
膝丈くらいの磯辺で私はとある奴を探し始めたのだ___
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2020年12月2日 3時
