ドキドキするのかわかんないサバイバル。 (ページ18)

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距離・・・【跡部景吾side】ページ18

遭難2日目の朝
朝食後のミーティングで、予想外なことが起きた。
ミーティングにも参加しない、行動も協力しないと言っていた比嘉中が、ミーティングに参加していた。

跡部(どういうつもりだ？)

しばらく考えてみたが、比嘉中がミーティング来る理由が全く思い付かない。寧ろどうやって出させようか考えていたくらいだ。
樺地に何があったのか探って来いと指示を出したが、樺地は比嘉中を観察していたからか、ミーティングに彼らが来た理由がわかっていた。樺地から伝えられた内容は、

Aが比嘉中に働きかけてくれていた。

ということだ。

この全てが仕組まれた合宿を成功させるには、勝手な行動をする奴らを少しでも統率しなければならないからな

そういえば、あいつ…今日クマが酷かったな。

俺は飲み物をもってAの元へと向かった。

跡部「A、ちょっといいか」

俺が声をかけると、相変わらずAは少しキョドっていた。こいつは人見知りだが、1回話してしまえば後はそれなりに話せるやつだ。
しかし、俺に対してだけは何度話しかけてみても毎回緊張している様子がみられる。あまり笑わない。

跡部「比嘉中の奴らを説得してくれたらしいな。礼を言う、ありがとう」

すごい驚いた顔をされた。
確かに俺様がお礼を言うケースは少ない。でも、そんなに驚くことはないだろ。思わず笑ってしまいそうになるくらいのリアクションと固まった表情に小突きたくなった。が、流石に固まられそうだからやめた。

跡部「少し休め」

通りすがりに肩に手を乗せ、自分の作業に戻った。
戻り際少し後ろをみるとポカーンとした顔でAが見ていた。
思わず笑ってしまった所を幸村に見られ、跡部何笑ってるんだい？とつっこまれた。
幸村は笑ってはいたが、明らかに様子が可笑しい俺を見て少し焦っていたみたいだ。

跡部「なんもねぇよ」

そう言って通り過ぎる俺を幸村は見ていた

幸村(跡部、疲れているのかな)

とんだ勘違いを生んでいるとは知らず、俺は作業に戻ると同時に一つ考えが浮かんだ。

午後一、俺は探索がある。

かなり機転が利く面を見て、Aを誘ってみてもいいかもしれねぇな。

機転が利くからという理由の他に、距離を縮めようとしている自分がいる事は見て見ぬふりをした。