クマ ページ17
今、私の目の下には大きなクマが出来上がっている。
女の恋愛トークはつまらない授業のように長い。でも、友達の普段見れない顔が見れるから楽しいんだよね。
？「(名字)さんおはよう、早いね」
声をかけてきたのは鳳君だ。すかさず私もおはようを言い返す。
今は宍戸さんは居ないのか鳳君一人だった。
鳳「え、酷いクマだね。眠れなかった？大丈夫？」
「全然大丈夫(変な恋バナしてたなんて言えない)」
鳳「体調崩す前に休んで、今日は無理しないでね。辛かったら周りの人とか俺に言って？」
お礼を伝えて、鳳君の親切心に心打たれていると一緒に朝食行かない？と誘ってくれたから着いていくことにした。
鳳君とは遭難してからあまり話したことは無いけど、人見知り何てしていられないこの状況で私のコミュ力はかなり克服したと思う。
食堂に着いて鳳君が隣に座り、今日の朝ごはんは非常食として備蓄されていた簡易的な味ご飯と味噌汁だった。昨日見つかった釣竿とかで魚が釣れれば多分品目も増えるだろう。私は量が多くても食べれるし、少なければ少ないのでも事足りるので大丈夫だが、育ち盛りの男子には少々量が少なく思えた。
「鳳君ご飯の量足りる？大丈夫？」
鳳「皆我慢しているからね、今日から食材も増えるだろうし大丈夫だよ」
「足りなかったらあげるよ、今日あまり食欲ないから」
鳳「色々と問題あるけど、ありがとう」
よくよく考えてみれば食べかけを渡すなんてとてつもなく失礼だ。鳳君そこまで配慮足らなかったよごめん。
鳳(関節的にそういうことになるの気にしないのかなAさん)
微妙に気にしている所が違う事を知る由もなくご飯を食べ終え、ミーティングも終える。約束通り比嘉中の人達も来てくれたがやはりムードは最悪だ。分かり合うのは多分無理だと悟る。
跡部「A、ちょっといいか」
少し離れた木陰で跡部さんに呼び出される。未だに跡部さんに対する緊張は抜けないが多分本人は気付いていない。
跡部「比嘉中の奴らを説得してくれたらしいな。礼を言う、ありがとう」
「え、あ」
まさかお礼を言われると思っていなかった為言葉が出てこない。戸惑っている私を見て跡部さんは、何戸惑っていると苦笑した。
少し休めと飲み物をくれ、去り際に私の肩をポンポンと叩き仕事に戻っていった。
(寝不足に気付いてくれてたんだ)
お言葉に甘えて少し木陰で睡眠をとることにした私は、朝食を食べた後の絶妙な眠気ですぐ眠りについた___
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2020年12月2日 3時
